オウガ・ジャパンから新型スマホ「OPPO A77」が発表されました。
2022年とは思えない中々ひどい性能のスマホなので、その特徴と絶対買わない方が良い理由をまとめます。

※以下の内容は、あくまで筆者の「OPPO A77」のスペックや特徴に対する感想です。また、タイトルにある「地雷」は物理的に爆発するという意味ではなく、「価格に見合った性能がなく、期待ほどのユーザー体験が得られない可能性が高い」という意味で使用しています。
ジャンプできる目次
一見良さそうな性能&コスパ
OPPO A77の価格は税込2万4,800円です。お値段から考えるといわゆるエントリークラスで、ライトユーザー向け(とされる)スマホです。

めっちゃ良くない!?そう思ったアナタ!要注意です
ところが、OPPO A77は一見するとなかなか良さそうな性能(スペック)や特徴を持っています。
・6.5インチ大画面

・ストレージ128GB ROM

・最大5,000万画素のデュアルカメラ

・5,000mAh大容量バッテリー / 33W急速充電

・ステレオスピーカー搭載

その他、側面指紋認証やIP54防塵防水にも対応しており、厚みは8mm。重量も187gと常識的な数値で使いやすそうなスマホです。5Gは非対応ですが、もちろんmicroSDカードにも対応しています。

外面はいいんだよな

以上だけ見ると、2万円台のエントリースマホとしてはかなりコスパが良さそうなのですが、実はスマホとしてもっと重要な部分が切り捨てられたスマホです。
詳細は以下をご覧ください。
OPPO A77を絶対に買ってはいけない理由
CPU界のトラバント「Helio G35」
※トラバント:旧東ドイツの骨とう品みたいな車
OPPO A77が搭載するSoC(いわゆるCPU)は「Helio G35」です。

128GB十分じゃ~んって思ったアナタ!それは間違いかもしれません
CPUの名称は一般の方はほとんど馴染みがないでしょうが、これは現状手に入るCPUとしては最低ランクに位置する製品です。
OPPO A77と同じ価格の「Redmi Note 11」が搭載する「Snapdragon 680」とベンチマーク(AnTuTu Ver.9)を比べると以下の通りです。
・Helio G35:約10万点
・Snapdragon 680:約25万点

Snapdragon 680も決して高性能ではないですが、重い処理がない日常動作なら十分サクサク動作するレベル。一方、10万点程度のHelio G35では、簡単な操作でもめちゃくちゃモタモタすることが予想されます。
また、OPPO A77のストレージ規格は「eMMC 5.1」。これも最近見ることが少なくなった規格で、もちろん超低性能です。データの読み書きが遅いので、アプリのインストールや起動などで遅さを感じることは間違いないでしょう。
128GBのストレージ容量に魅力を感じる方もいるでしょうが、何年も使うことを想定するのであれば64GBだろうが128GBだろうが、どのみち不十分です。結局microSDカードを使うことになりますが、最近のエントリースマホはmicroSDカードに大抵対応しているので、128GBストレージは特に大きな強みではありません。
「太陽ニ殺サレタ」ディスプレイ
OPPO A77のディスプレイは6.5インチの大画面です。

色々書いてるけど、特にすごくはありません
ここだけ切り取れば良さそうなのですが、詳細も確認してみましょう。
・材質:LCD
多くの人は、LCDと聞いてもよく分からないと思うので解説します。大雑把にまとめると、ディスプレイ表記の格は以下の通りと考えてもらえれば大丈夫です。
メモ
AMOLED(すごい有機EL)≧ OLED(有機EL)> IPS LCD(すごい液晶)≧ LCD(液晶)
※不正確な分類ですが、メーカーは性能の差を表現するためにこのような表記を行う場合があります。
要するにLCDという表記は最低ランクのディスプレイを意味します。
・解像度:1612 x 720 (HD+)
現状ほとんどのスマホは高解像度のFHD+以上。エントリースマホでもFHD+が当たり前になってきている現状、ドット感の残る低解像度のHD+は非常に珍しいと言えるでしょう(もちろんダメな意味で)。

・タッチサンプルレート最大60Hz
これは、画面に指が触れてどれだけ早くスマホが反応してくれる数値です。
現状ほとんどのスマホはどれだけ低くても120Hz以上が当たり前なので、極めて低くこれ以上低いものを探すのは難しいです。

・通常輝度:480nit、最大輝度:600nit
輝度が低いと、強い太陽光の下で画面はほとんど見えなくなります。筆者の感覚だと、太陽光下でも見やすいディスプレイは最大輝度1,000nitsは必要です。

480~600nits程度では太陽光下ではかなり見えづらくなるので、太陽相手だと一発KO負け。毎日のように太陽にマウントをとられてしまうでしょう。
5,000万画素という数字に躍らされるな
OPPO A77は、5,000万画素のセンサーをメインカメラに備えています。

存在価値がよく分からない深度カメラ付き!
この数値だけ見ると良さそうなのですが、画素数は画質に直結しません。より重要なのが、センサーサイズとISP(イメージング・プロセッサー)です。
センサーサイズが大きければ、光を取り込める量が増えるのでノイズが少なくクリアな画質の写真が撮影できます。しかし、レンダリング画像を見る限りではOPPO A77のメインカメラはかなり小さそうです。
具体的なセンサー名は不明ですが、エントリースマホで採用されている5,000万画素センサーは、ほとんどが1/2.76インチの「ISOCELL JN1」です。
メーカーがどれだけ調整しているかにもよるのですが、綺麗に撮れると言われているセンサーの多くは最低でも1/2インチ以上。メインカメラとしてJN1は明らかに小さいセンサーであり、OPPO A77もセンサーもこれと思われます。
また、ISP性能も重要です。これはCPUに含まれる画像処理チップで、この性能が画質を大きく左右します。前述のHelio G35は最低限のISP性能しかないので、この点まったく期待できません。画質だけでなく、画像処理の速度でも多くの人が不満に感じることでしょう。
なお、深度カメラも備えていますが撮影できない只のセンサーです。筆者は深度センサー搭載のスマホを何度も使っていますが、その有無で違いを感じたことはありません。

特に買ってはいけないのはこんな人

なんか良さそうなんだよな外面は
何年も使う人は絶対買ってはいけない
OPPO A77に限らず、こうしたエントリースマホの多くはライトユーザーの需要に支えられています。

しかし、実はこうした人にエントリースマホはミスマッチ。というのもライトユーザーこそスマホにあまり興味がないので、何年も同じスマホを使う傾向にあります。
Helio G35を搭載していることから、OPPO A77は購入当初から動作が重いスマホと思われます。スマホは長く使えば使うほど処理性能が低下していくので、1年も使えば動作が激重になることが容易に想像できます。

太陽も、何をするにも動きが遅く、あなたの時間を無駄にするスマホを見て嘲り笑うでしょう。
ストレージこそ128GBと低価格のスマホの割に多いですが、何年も使う方には明らかに足りません。結局microSDカードを使うことになるのですが、それは他のエントリースマホの多くが対応しています。

子どもに絶対買い与えてはいけない
特にOPPO A77は子どもには絶対に買い与えてはいけません。
こうしたエントリースマホは「初めての方に最適!」などを謳い文句に売られていることが多いのですが、これは明らかな罠です。
というのも、スマホを初めて使う子どものほとんどがハードユーザーになります。ガンガンSNSも使うし、ゲームもします。
OPPO A77が搭載する「Helio G35」では、ほとんどのゲームはまともに動かないですし、SNSをするのにもモタつきイライラするようになります。そして、周りの友だちが使っている高性能スマホの代名詞「iPhone」に憧れを抱き、強くねだるようになるでしょう。

太陽も、あなたの子どもが使うスマホを見て、こうして煽ってくることでしょう。
そして、「iPhone 14」は税込11万9,800円であり非常に高い買い物になります。しかし、そもそもSNSを楽しむ程度なら、4万円程度のAndroid(OPPO Reno7 AやRedmi Note 11 Pro 5Gなど)でも十分です。
また、負荷の強い3Dゲームをするのにも6万円台のAndroid(Xiaomi 11T Pro、Nothig Phone (1) など)で十分プレイはできます。
つまり、初めからiPhoneの半額程度のスマホを子どもに与えておけば、子どもはそれで満足してくれるかもしれません。しかし、OPPO A77のような超低性能のスマホを子どもに与えることで、子どもはAndroid=オンボロイドと思い込み、非常に高価なiPhoneを強くねだるようになる可能性があるのです。

まとめ:これ買うなら他に買うものがある

多分たっぷりは楽しめません知らんけど
以上、OPPO A77の特徴と絶対に買ってはいけない理由をまとめました。
一見すると良さそうな部分も多いスマホですが、ディスプレイとCPU性能で壮絶なほどのコストカットが行われており、おそらく9割の人は強い不満を抱えて使うことになるでしょう。

近年、OPPOは日本でも存在感を高め、Androidスマホのスタンダードブランドとしての地位を確立しつつあります。また、筆者もOPPO製品を複数購入して愛用してきた一人のユーザーです。
正直、このようなAndroidおよびOPPOの評価を下げかねない超絶ローエンド端末を日本で出してほしくないですし、出すべきではないと思います。
なお、当ブログでは果敢にもOPPO A77をレビュー予定ですが、嫌な予感しかしません。
同じ価格ならRedmi Note 11がオススメ
筆者はそもそも定価2万円台のスマホをオススメしませんが、どうしてもと言うなら「Redmi Note 11」が良いでしょう。
同じ価格でほぼ上位互換の性能を持っており、処理性能は2.5倍で日常動作ならサクサク。また、ディスプレイも非常に明るい最大輝度1,000nits! のFHD+有機ELとなっており、満足度は格段に違うでしょう。

その他のスペックはよく似ており、5,000mAhバッテリー+33W急速充電対応。メインカメラも5,000万画素で、デュアルスピーカーだけでなくイヤホンジャックも対応です。
ストレージは64GBですが、microSDカードを使えば問題なし。またIP53防塵防水で、OPPO A77のIP54に僅かに劣るものの、結局どちらも生活防水なので大した違いはありません(最後の数字が防水性能を表す)。
メモ
IPX3:鉛直から60度の範囲の散水によって有害な影響を受けない
IPX4:あらゆる方向からの水の飛まつを受けても有害な影響を受けない
Redmi Note 11は非常にお得に買う方法もあるので、以下の記事も合わせてご覧ください。
もっとちゃんとしたスマホならOPPO Reno7 Aがオススメ
また、OPPO A77と同じメーカーでも処理性能が約4倍ある「OPPO Reno7 A」はかなりまともなスマホなので、こちらもオススメします。
防塵防水も最高レベルのIP68で、有機ELディスプレイも搭載。いま最もスタンダードなAndroidスマホです。