2023年のGoogle最新フラッグシップ「Google Pixel 8 Pro」で、最も重いと言われる3Dゲーム「原神」の動作チェックを行いました。
15万円以上とフラッグシップらしい高価なスマホながら、実はパフォーマンスはかなりの低水準。原神プレイヤーで本機の購入を検討している方は是非ご覧ください。

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ベンチマークから強烈な性能制限をかけていることが分かる
まずは、よく知られるベンチマークアプリ「AnTuTu(Ver.9)」を使って、Google Pixel 8 Proの処理性能を測ってみました。
- 1回目
- 2回目
- 3回目
1回目では90万点をギリギリ超えたものの、2回目は極端にスコアが低下。温度を見てみると、ベンチマーク序盤で急速に上昇しており、38℃に達した時点で若干低下。そこから38℃を超えない範囲で安定という推移です。
3回目は少し時間をおいて行ったところ、若干スコアが回復し79万点を超えたものの1回目には及ばず。こちらも同じような温度上昇の傾向がみられます。
この結果から推測するに、どうやら温度が38℃をあまり超えないように強烈なサーマルスロットリング(性能制限)をかけているようです。
一般的にゲームに強い端末は、ベイパーチャンバーと呼ばれる液冷機能を備えていることが多いのですが、本機には無し。冷却するハードウェアをそもそも備えていないので、こうした性能制限で過度な温度上昇を抑えているようです。

原神「最高」画質で動作チェック
とは言え、ベンチマークはあくまで目安。もしかしたら、実際のゲームプレイでは思わぬパフォーマンスを発揮する可能性もあります。
というわけで、実際にGoogle Pixel 8 Proで原神の動作をチェックしてみます。最高画質+最大60FPS設定で、比較的動作の軽いフィールド「モンド」と、重めな「スメール(砂漠)」で検証しました。検証ツールは「TakoStats」です。
モンド:かなり厳しいパフォーマンス
プレイ時間はおよそ15分で、フィールドをマラソンしつつ出会った敵とも戦っています。

平均約41FPSで動作

FPSグラフ:波が激しく、極端に低下している部分も

温度グラフ:38℃で一旦落ち着き、42℃程度まで徐々に上昇
はっきり言うと、ハイエンドとは思えない厳しい結果に。平均FPSはなんとか40を超えたものの、上下の波が大きく極端に低下する場面も。
また、温度もベンチマークと同様に急速に上昇し38℃程度まで達した後に若干低下。その後は徐々に42℃まで上昇していますが、開始時が31℃だったので11℃の上昇幅。性能制限をかけている割にはかなり発熱が激しいです。

移動中でも40FPSを切ることが多く、明らかに最適化ができていないように思われます。

40FPS以上出ることもあるが、しばしば30FPS台に低下
また、戦闘では30FPS前後で動作しており、元素爆発やスキルを連発して負荷が強くなると20FPS台前半まで急に低下することもありました。

元素爆発の連発で20FPS台前半に低下することも
さすがにモンドでこのパフォーマンスでは厳しいと言わざるを得ません。15万円以上もするハイエンドモデルとしてのパフォーマンスを期待すると、盛大に肩透かしを食らうでしょう。
スメール:余計に厳しい
次に動作が重くなりがちなスメール(砂漠)。モンドと同じくプレイ時間はおよそ15分で、フィールドをマラソンしつつ出会った敵とも戦っています。

平均約37FPSで動作

FPSグラフ:小刻みな波があり、途中で45FPSも出なくなる

温度グラフ:39℃で一旦落ち着くも、その後41℃まで徐々に上昇
案の定ですが、モンドよりもさらにパフォーマンスが低下。フレームレートは平均して37FPSも出ておらず、動作も不安定。
また、FPSグラフと温度グラフを照らし合わせてみると、39℃に達したあたりで急に温度が低下すると同時に、パフォーマンスも急降下していることが分かります。
移動中は30FPS台で動作していることが多く、40FPS以上出ることはほとんどありませんでした。

移動中。30FPSを切りそうになることもしばしば
戦闘中は、マップの読み込みが発生したり、元素爆発や元素スキルの使用でエフェクトが多くなると、FPSが急降下し20FPSを切ることも。

元素爆発や元素スキルの使用で20FPSを切りそうになることも
モンドでも厳しかったのですが、スメールの砂漠では非常に厳しい結果に。
戦闘中でもある程度なめらかに動作してくれなければ快適とは言い難いのですが、Google Pixel 8 Proはその期待には全く応えてくれませんでした。
「中」画質でも......
ちなみに、Google Pixel 8 Proのデフォルト設定は「中」画質なので、この設定でもスメールの砂漠でプレイしてみました。

平均約36FPSで動作

FPSグラフ:激しい波があり、改善は認められない

温度グラフ:一方で温度上昇は緩やか
結果としては、パフォーマンスの改善は全くなし。フィールドの読み込みが発生するシーンや、元素爆発や元素スキルの使用でエフェクトが多く発生すると、最高画質と同じく極端なFPS低下が多発しました。
一方で温度上昇は緩やかですが、中画質程度にも関わらず20FPS未満にたびたび低下しているところを見るに、パフォーマンスの低さは深刻です。
まとめ:15万円以上とは思えない低パフォーマンス
以上、Google Pixel 8 Proでの原神の動作チェックでした。
結論は、15万円以上もするハイエンド機とは思えない低パフォーマンスでした。きっぱりとゲーム性能を期待して買うスマホではありません。
メーカーもカメラ性能やAIによる処理をアピールしていますが、本当にそこに特化しており、発熱を制御しつつ高いパフォーマンスを維持する......というゲーム体験は全く無視されていると言ってよいでしょう。
10万円を超えない端末でも、もっと快適に原神をプレイできるスマホがあるので、ゲーム目当てならGoogle Pixel 8 Proを選ぶべきではありません。
ちなみに前モデル「Google Pixel 7 Pro」も原神のパフォーマンスは低水準でした。つまり、全く改善していません。
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