シャオミは、11月5日、最新の放熱技術である「Loop LiquidCool」技術を発表しました。
スマートフォンを冷却するべーパーチャンバーを改良し、従来技術(VC液冷)と比較して2倍の冷却効率を実現したといいます。同技術を採用した製品は、2022年の後半に発表される予定です。
「Loop LiquidCool」の仕組み
同技術の仕組みは次の通りです。チップセットからの熱で液体が蒸発し、その高温のガスがパイプを通ってコンデンサーで冷やされ、再び液体になります。この液体は、エバポレーターに供給されるリフィルチャンバーに送られ、再度このサイクルが循環します。
これは従来のVC液冷と似ていますが、いくつかの大きな違いがあります。まず、高温のガスと低温の液体は別々になっています。従来技術では、液体を運ぶ芯とガスが通るチャンバーが同じ金属パイプの中にあるため、特に高負荷時には高温の気体と低温の液体が混ざり合って効率が悪化していました。
2つ目の大きな変更点は、循環を確実に行うためにテスラバルブを採用したことです。このバルブは、液体が一方の方向に流れやすくなっているため、より効率的なガスと液体の循環が可能です。
実験では、従来技術よりも最高温度が8.6℃低い結果に
シャオミは「Loop LiquidCool」を実験するために、Snapdragon 888+を搭載したハイエンドスマートフォン「Xiaomi MIX 4」をカスタマイズし、オリジナルのベーパーチャンバーを「Loop LiquidCool」システムに交換しました。
3Dゲームの「原神」を60fps(最高設定)で30分間プレイした後に記録された最高温度は47.7℃で、改造していないMIX 4よりも8.6℃低くなっています。
シャオミによると、同技術の設計は柔軟性があるため、どのようなタイプの内部設計にも採用することが可能です。例えば、四角い形のループであれば、バッテリーやカメラモジュール、その他のコンポーネントのためのスペースを確保することができるといいます。
スマートフォンに搭載されるSoCは年々高性能化が進んでいますが、一方でその発熱の強さも問題となっています。こうした技術革新によって発熱問題が解決されるのであれば、ユーザーにとって非常に喜ばしいことです。
ソース:Xiaomi(情報元), GSMArena(経由)