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Xiaomi 12 Pro 実機レビュー!使い勝手の良いフラッグシップモデル。日本発売に期待

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Xiaomi 12 Proは2021年末に発表されたシャオミのフラッグシップ・スマートフォンで、Snapdragon 8 Gen 1プロセッサー、最大2K画質のLTPO AMOLEDディスプレイ、トリプル5000万画素カメラなどを搭載し、最大120Wの急速充電にも対応したモデルです。

中国版の価格は日本円で約8.5万円(輸入消費税も含めると9万円強)と、フラッグシップモデルとしてはそれほど高くありません。

筆者は、早速この端末を手に入れることが出来たので、レビューしていきます。

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Xiaomi 12 Proの特徴

Xiaomi 12 Proの主な特徴は以下の通りです。GoodポイントとBadポイントに分けてまとめました。

Good

AnTuTu100万点超えのSnapdragon 8 Gen 1

120Hz駆動、最大2K画質のLTPO AMOLEDディスプレイ

強化されたカメラソフトウェア

トリプル5000万画素カメラ

120W有線急速充電、50Wワイヤレス急速充電

Harman Kardon クアッドスピーカー

Bad

メインカメラはMi 11 Proより若干小型化

ペリスコープカメラ非搭載(×2望遠搭載)

ワイヤレス充電はMi 11 Proより出力低下

防塵防水規格なし

Xiaomi 12 Pro本体と付属品をチェック

本体をチェック

Xiaomi 12 Proは、厚みが約8.1mmと比較的薄型の端末。マット加工されたAGガラスパネルの背面はサラサラとした質感で、指紋も目立たず、非常に高級感があります。

重量は205gあるものの、横幅が74.6mmに抑えられていることと側面に丸みがあるので、グリップ感は悪くありません。

やずX
筆者は紫を購入しました。他に黒、青、緑があり、緑はガラスではなくPU素材です。

金属製のカメラユニットには3つのカメラとLEDフラッシュが収められており、大きなメインカメラは多少出っ張りがあります。モジュール内の各部分を区切るような線があるのが特徴的で、比較的シンプルなデザインです。

端末正面から見て右側面には、左からボリュームキーと電源ボタンがあります。金属製と思われるサイドフレームは高級感があります。

端末正面から見て左側面にはボタンや穴等は全くありません。

天面には、左からスピーカー穴、マイク穴、IRブラスターがあります。

底面には、左からスピーカー穴、Type-C充電ポート、マイク穴、SIMカードスロットがあります。

背面パネルの下部には「Xiaomi」のロゴがあり、僅かに浮き上がって見えます。

パッケージと付属品をチェック

Xiaomi 12 Proは黒いパッケージに巨大な金色の文字で「12」と書かれており、重厚感があります。下部には音響でタッグを組んだ「harman/kardon」のロゴも確認できます。

パッケージ内容

本体

TPUクリアケース

フィルム(貼付済)

120W充電器&ケーブル

SIMピン

説明書等

パッケージ内容は以上の通り。ケース、フィルム、充電器がセットになっており、そのまま使い始めることができます。ワイヤレス充電器は別売りで、日本円で6000円程します。

Xiaomi 12 ProはSnapdragon 8 Gen 1搭載。大型VCで適切に放熱

Xiaomi 12 Proは、SoCに「Qualcomm Snapdragon 8 Gen 1」を搭載しています。

AnTuTuベンチマーク(Ver.9)でXiaomi 12 Proの性能を計測したところ100万点を超えました。特に3Dグラフィックス処理(GPU)の性能が高く、ゲーム向きのSoCと言えるでしょう。

ただし、気になるのが発熱です。Xiaomi 12 Proでは発熱を抑えるために、VC液冷を含む新型の冷却機構を搭載しています。

 

実際に、最も重いスマホゲームとされる「原神」を最高設定で30分間プレイしてみました。バッテリー温度は39℃で、ある程度温かくはなるものの、極端に発熱することはありませんでした。

また、メモリ/ストレージ規格はそれぞれLPDDR5、UFS3.1 に対応。フラッグシップモデルと同様の高速の読み書きが可能で、スムーズな動作を可能にしています。

Xiaomi 12 Proは2K画質のLTPO AMOLEDディスプレイ搭載

Xiaomi 12 Proは、ディスプレイに6.73インチのLTPO AMOLEDを採用。最新のE5発光材料を使用しており、世界的なディスプレイ評価機関「DisplayMate」によってA+の評価を得ています。

解像度は3200 x 1440 ピクセル(2K, WQHD+)の高精細表示に対応しており、ピーク輝度も1600nitsと非常に高くなっています。夏の直射日光下でも優れたパフォーマンスを発揮することでしょう。

リフレッシュレートについては、1~120Hzの間で動的に調整され電力消費効率を高めています。その他、最大480Hzのタッチサンプリングレート、DCI-P3の色空間、10億色表現に対応しています。

側面は緩やかに湾曲したエッジスクリーン形状。ぶつけた時の傷や破損が心配ですが、ガラスには「Gorilla Glass Victus」を採用。最強クラスの耐久性を誇ります。

また、上部中央には小さなパンチホールがあり、インカメラが収められています。

Xiaomi 12 Proはトリプル5000万画素カメラ搭載

Xiaomi 12 Proは、3つの5000万画素カメラを搭載しています。構成は以下の通りです。

・メイン(広角):5000万画素 (Sony IMX 707)

・超広角:5000万画素(Samsung Isocell JN1)

・ポートレート(2倍望遠):5000万画素(Samsung Isocell JN1)

また、カメラソフトウェアが従来よりも強化されており、アプリの起動、撮影、連続撮影、夜景撮影が全て大幅に高速化しています。

動画については8K、4K、1080p、720pでの撮影が可能。対応フレームレートは以下の通りです。

画質フレームレート
8K24FPS
4K30/60FPS
1080p30/60FPS
720p30FPS

3つのカメラを使って実際に撮影してみました。以下、作例になります。

ギャラリー

AI補正で色鮮やかな写真が撮影可能

Xiaomi 12 Proは、AI補正でより発色が鮮やかな写真を撮ることができます。

←補正なし:補正あり→
(表示されていない場合、ページを再読み込みしてください)

上記のスライダー付き画像は、左がAI補正なし、右がAI補正ありとなっています。AI補正で若干色が濃くなり、より「映える」写真にすることができます。

HDR性能は非常に良いと思います。以前のシャオミのカメラソフトは太陽を直写すると、空が暗くなっていましたが、Xiaomi 12 Proでそうはなりません。

Xiaomi 12 Proのメインカメラには、1/1.28インチの大型センサー「IMX 707」が使われており、大きなボケが印象的です。

ポートレートカメラと超広角カメラは日中の性能良好

Xiaomi 12 Proは2倍ズームが標準のポートレートカメラを搭載しています。

2倍

日中の撮影では、しっかり解像感のある写真を撮影することができます。

5倍

こちらは5倍ズームでの撮影です。ここまで拡大してもある程度解像感のある写真を撮影することができ、実用的な性能です。

10倍

更に10倍ズームで撮影しました。ここまで拡大すると流石に粗さが分かります。なお、最大ズーム倍率は20倍までです。

メインカメラ(広角)と超広角カメラで同じ場所から撮影しました。超広角カメラの方が広い画角で撮影できますが、メインカメラとは多少色味が異なります。

夜景は、メインカメラ◎、ポートレート〇、超広角△

Xiaomi 12 Proは「Night Owl 2.0」というアルゴリズムにより、オート撮影時に自動で暗さを測定し、1~5秒の間でシャッタースピードを調節します。

これにより、少々暗い場所であっても明るく補正すると共に、白飛びやノイズを抑えた写真になります。

上掲の写真は左手前にランプがありますが、しっかりと白飛びを抑えることが出来ています。

また、「Night Owl 2.0」はすべての焦点距離で使うことができるので、3つのカメラでそれぞれ比較しました。以下が作例です。

メイン

一定の明るさのある場所での撮影です。この場合、光源の白飛びやフレアが問題となりやすいのですが、良好な性能です。

ポートレート

ポートレートカメラの場合でも、電光看板が白飛びしておらず良好です。

超広角カメラの場合、メインカメラよりも若干ノイズが多く感じますが、ここでも白飛びやフレアは抑制できています。

さらに3つのカメラを使って、より暗い場所で撮影してみました。以下が作例です。

メイン

かなり暗めの場所での撮影で問題になるのはノイズや写真の明るさです。メインカメラは肉眼よりも非常に明るく撮影できており、ノイズの処理も良好です。

ポートレート

ポートレートカメラの場合、メインカメラほど明るくは撮影できません。センサーが1/2.76インチと小さい「Isocell JN1」なので仕方がありませんが、メインカメラとの低照度性能の差は大きく感じます。

超広角

超広角カメラもポートレートカメラと同じく「Isocell JN1」をセンサーに採用しています。こちらは更に低照度性能が低く、肉眼とほぼ同じ程度の明るさでしか撮れませんでした。ノイズがかなり目立ちます。

3種類の手ぶれ補正を搭載

Xiaomi 12 Proは、ビデオを撮る際に手ぶれ補正が効きますが、更に強力な「スーパー手ぶれ補正」「スーパー手ぶれ補正Pro」もあります。

以下は通常の手振れ補正です。

通常の手ぶれ補正であれば、すべてのカメラで720p~4K画質、30/60FPSでの撮影が可能。また、メインカメラのみは8K、24FPSでの撮影が可能となっています。

一方、「スーパー手ぶれ補正」「スーパー手ぶれ補正Pro」の場合はメインカメラのみで、1080p/30FPS固定となるので注意してください。

Xiaomi 12 Pro カメラ総評:使いやすくまとまった性能

Xiaomi 12 Proのカメラ性能の総評については以下の通りです。

通常のシーンでも夜景でも撮影が比較的速い

大型メインカメラは夜景・ボケともに良好

AI補正入りでも極端に濃すぎない色味

超広角・望遠は夜景性能があまり高くない
※特に超広角は低照度に弱い

良好なHDR、手振れ補正

実際に使用してみて感じたのは、メインカメラの良好な性能と、使いやすくなったカメラソフトです。

特に後者については、以前からシャオミの弱点でした。今回、これについては大きく改善が見られ、カメラアプリの起動、撮影速度、フォーカス、夜景撮影いずれも高速化しています。また、HDRの暴走も少なくなっています。

一方、超広角・望遠はメインカメラと比べて小型のセンサーであるため、夜景性能はあまり高くないのが欠点です。とは言え、日中の撮影は良好です。

総合的に見れば、8~9万円台のスマートフォンとしてはカメラ性能は非常に良いと感じました。

Xiaomi 12 Proは高音質クアッドスピーカー搭載

Xiaomi 12 ProはHarman Kardonが監修したクアッドスピーカーを搭載しています。天面と底面にそれぞれ供えられたスピーカー穴には、高音と低音を担当するユニットが一つずつ(合計4つ)搭載されています。

実際に音を聴いてみると、確かに高音と低音のバランスが良く奥行き良く感じます。一方、音の方向があまり正面に向いておらず、クアッドスピーカーというにはあまり音の迫力がありません。

つまり、端末の正面から聴くのと、スピーカーを耳の付近に持っていって聴くのとでは、音の感じ方が多少異なる印象です。悪くはないが、期待ほどではないというのが現状の評価になります。

なお、3.5mmイヤホンジャックは非搭載なので、Type-C変換アダプタかワイヤレスイヤホンを使いましょう。

Xiaomi 12 Proは最大120Wの急速充電対応

Xiaomi 12 Proのバッテリー容量は4600mAhで、120W有線急速充電、50Wワイヤレス急速充電、10Wリバース充電にそれぞれ対応。また、独自開発の「Surge P1チップ」により、充電速度と充電時の温度を高度に管理しています。

120W急速充電でも温度上昇は控えめ

実際に充電時の温度を確認してみると、120W急速充電(ブーストモード)終了時で42℃と常識的な温度上昇に留まりました。また、120W急速充電は充電速度を落とす代わりに温度上昇を抑える「恒温モード」もあり、こちらでは39℃でした。

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Surge P1チップの温度管理性能は優秀なようです!

120W急速充電の充電速度を検証

Xiaomi 12 Proは120Wの有線急速充電が可能で、スピード重視のブーストモードと、温度を比較的低く抑えた状態で充電する恒温モードの2種類が使えます。

そこで、ブーストモードと恒温モードの両方で、バッテリー残量が0%の状態から充電時間を計測してみました。

結果は以下の通りです。

充電時間(ブースト)バッテリー
5分38%
10分64%
15分81%
20分100%

ブーストモードで満充電にかかる時間は約20分でした。流石に120Wもあるので非常に速いです。

充電時間(恒温)バッテリー
10分50%
20分79%
27分100%

恒温モードで満充電にかかる時間は約27分でした。こちらは充電速度は落ちますが、温度を低く抑えることでバッテリーへの負担が低減されるので、特に急がなければこちらでも十分かと思います。

なお、これらの充電速度は温度も含めてSurge P1チップによって高度に管理されているため、充電時の気温によっても多少前後すると思われます。なお、公称ではブーストモードで最速19分、恒温モードで最速24分とのことです。

50Wワイヤレス急速充電の充電速度を検証

Xiaomi 12 Proは50Wのワイヤレス急速充電が可能です。そこで、バッテリー残量が0%の状態から充電時間を計測してみました。

結果は以下の通りです。

充電時間バッテリー
15分48%
30分88%
39分100%

ワイヤレス急速充電で満充電にかかる時間は約39分でした。なお、ワイヤレス充電はブーストモード/恒温モードの影響はないようで、どちらも充電速度はほとんど変わりませんでした。

バッテリー持ちを検証

Xiaomi 12 Proのバッテリー容量は4,600mAhと、比較的容量の大きいバッテリーです。

バッテリーを100%にし、輝度約60%、音量100%の状態で、Amazon Prime Videoを標準画質で二時間再生させ、バッテリー持ちの検証を行いました。その他の端末との比較表は以下の通りです。

1時間後2時間後
Xiaomi 12 Pro91%81%
Mi 11 Ultra95%86%
realme GT MEE94%87%
Mi 11 Lite 5G92%83%
iPhone SE91%78%

結果はXiaomi 12 Proのバッテリー持ちは「中」か、ややそれより悪いかくらいです。出たばかりのスマホで、新しいバージョンのOSを積んでいるので、今後の最適化で改善する可能性は十分考えられます。

Xiaomi 12 Proは画面内指紋認証と顔認証に対応

Xiaomi 12 Proは画面内指紋認証と顔認証の両方に対応しています。指紋認証はたまに失敗することがありますが、認証速度は指紋・顔ともにスムーズです。

Xiaomi 12 Pro スペック表

Xiaomi 12 Proのスペック表は以下の通りです。

機種名Xiaomi 12 Pro
OSMIUI13, Android 12
SoC(CPU)Snapdragon 8 Gen 1
メモリ8 / 12GB, LPDDR5
容量128 / 256GB, UFS3.1
画面6.73型 (2K, 3200×1440)
LTPO E5 AMOLED
520PPI, 10bit, DCI-P3,
ピーク輝度: 1500nit
16000段階の輝度調整
リフレッシュレート: 120Hz
タッチサンプリングレート: 480Hz
DisplayMate A+
Gorilla Glass Victus
カメラ
(背面)
メイン:5000万画素 (IMX 707)+OIS
超広角:5000万画素 (JN1)
2倍望遠:5000万画素 (JN1)
カメラ
(正面)
3200万画素
電池4600mAh
120W有線急速充電
50Wワイヤレス充電
10Wリバース充電
Surge P1チップ
音響Harman Kardon クアッドスピーカー
生体認証画面内指紋認証, 顔認証
防塵防水非公表
SIMスロットデュアルSIM
5G
(中国版)
n1 / n3 / n5 / n8 / n28a / n38
/ n40/ n41 /n77 / n78 / n7
4G
(中国版)
FDD-LTE:B1 / B2 / B3 / B4 / B5/ B7
/ B8 / B12 / B17 / B18 / B19 / B26
TDD-LTE:B34 / B38 / B39 / B40
/ B41 / B42
寸法163.6×74.6×81.6 (ガラス) or 8.66 (PU) mm
重量205g (ガラス) or 204g (PU)
カラーブラック、ブルー、パープル、
グリーン(PU)
その他Wi-Fi 6, Bluetooth 5.2
価格8+128GB: 4699元(約8.5万円)
8+256GB: 4999元(約9万円)
12+256GB: 5399元(約9.7万円)
※現状中国版のみ

また、グローバル版の対応バンドは以下の通りです。

4GLTE FDD: B1/2/3/4/5/7/8/12/13
/17/18/19/20/25/26/28/32/66
LTE TDD: B38/39/40/41/42/48
5Gn1/n3/n5/n7/n8/n20/n28/n38
/n40/n41/n66/n77/n78/n79

技適未取得機器を用いた実験等の特例制度について

この記事で紹介している「Xiaomi 12 Pro」は日本国内で発売されていない技適未取得機器に該当します。筆者は技適未取得機器を用いた実験等の特例制度に基づき総務省に申請を行ったうえで使用・検証を行っています。

Xiaomi 12 Pro レビューまとめ:ユーザー体験重視。これまでのシャオミ端末より完成度が高い

Xiaomi 12 Proのレビューをお届けしました。実際に使ってみて感じた主な特徴は以下の通りです。

ポイント

高いSoC性能で動作良好。温度も熱くなりすぎない

明るく高画質な画面は視認性良好

使いやすいカメラ。シャオミの弱点が大幅改善

スピーカー性能は期待ほどではない。

複数の充電方法に対応。熱管理も優秀

全体的な評価としては、非常に良くまとまったスマホだと思いました。特に、これまでのシャオミのスマホは素晴らしいスペックとコスパを武器にする一方、使い勝手がイマイチな部分がありました。

今回、Xiaomi 12 Proはスペックだけでなく、ユーザー体験もしっかり考慮した出来になっていると思います。動作は非常に軽快で、発熱も許容範囲。カメラソフトも安定しています。

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やずX

Xiaomiモノづくり研究所研究員(2022年〜)。スマホ黎明期の2010年頃からスマホ情報を収集し、今では年間20台前後のスマホでカメラ中心に検証。最新スマホ情報・スマホお得情報をお届けします! ↓X(Twitter)でも情報を発信しているので、是非フォローしてください。

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