Xiaomi 12はシャオミの最新フラッグシップ・スマートフォンで、比較的小型の6.28インチAMOLEDディスプレイを搭載したモデルです。
筆者は、グローバル版の実機を発売前にご提供いただいたので、レビューしていきます。

ジャンプできる目次
- 1 Xiaomi 12の特徴
- 2 Xiaomi 12 本体と付属品をチェック
- 3 Xiaomi 12はSnapdragon 8 Gen 1搭載。でもAnTuTu100万点は出ない
- 4 Xiaomi 12は明るく鮮やかなAMOLEDディスプレイ搭載
- 5 Xiaomi 12は5000万画素SONY IMX 766メイン含むトリプルカメラ搭載
- 6 Xiaomi 12は高音質Harman Kardonスピーカー搭載
- 7 Xiaomi 12は最大67Wの急速充電対応
- 8 Xiaomi 12は超高速の画面内指紋/顔認証に対応!
- 9 Xiaomi 12 スペック表
- 10 Xiaomi 12 レビューまとめ:ユーザー体験重視。シャオミ史上最高の完成度
Xiaomi 12の特徴
Xiaomi 12の主な特徴は以下の通りです。GoodポイントとBadポイントに分けてまとめました。
Good
✅待望の小型ハイエンドモデル
✅最新旗艦SoC「Snapdragon 8 Gen 1」
✅120Hz対応の6.28インチAMOLEDディスプレイ
✅起動速度やオートフォーカスが強化されたカメラ
✅5000万画素SONY IMX 766メインカメラ
✅67W有線急速充電、50Wワイヤレス急速充電
✅Harman Kardon デュアルスピーカー
Bad
✅メインカメラはXiaomi 12 Proより小型
✅望遠カメラ非搭載
✅VC冷却プレートは大きくない
✅防塵防水規格なし
以上のように、最近では珍しくなった6.28インチと比較的小型のディスプレイを採用したハイエンドモデルです。
Xiaomi 12 本体と付属品をチェック
本体をチェック
Xiaomi 12は横幅69.9mm、厚さ8.16mmと持ちやすいサイズで、背面がラウンド形状になっています。筆者の端末はパープルカラーで、マット加工されたAGガラスパネルは高級感があり、指紋も目立ちません。
ディスプレイサイズは6.28インチと比較的小型で、手の小さい筆者でもしっかりグリップできます。重量も180gとそれほど重くありません。

左:Xiaomi 12 Pro、右:Xiaomi 12
なお、Xiaomi 12 Proとサイズを比較するとこんな感じです。一回り小さくなっていることが分かります。
長方形のカメラモジュールは金属製となっており、それなりの出っ張り。3つのカメラとLEDフラッシュが収められており、モジュール内の各部分を区切るようなラインが特徴的です。
端末正面から見て右側面には、左からボリュームキーと電源ボタンがあります。丸みを帯びたアルミ製サイドフレームの造形が美しいです。
端末正面から見て左側面にはボタンや穴等は全くありません。
天面には、左からスピーカー穴、マイク穴、IRブラスターがあります。中央には「SOUND BY harman kardon」のロゴも確認できます。
底面には、左からSIMカードスロット、マイク穴、Type-C充電ポート、スピーカー穴があります。
背面パネルの下部には「Xiaomi 5G」のロゴがあります。なお、中国版は「5G」のロゴがありません。
パッケージと付属品をチェック
Xiaomi 12は白いパッケージにピンクゴールドの大きな「12」のロゴが印象的。ずっしりと重量感があります。
パッケージ内容
✅本体
✅TPUクリアケース
✅フィルム(貼付済)
✅67W充電器&ケーブル
✅SIMピン
✅説明書等
パッケージ内容は以上の通り。ケース、フィルム、充電器がセットになっており、そのまま使い始めることができます。
ただし、充電器のプラグはEU仕様なので変換アダプタが必要です。
Xiaomi 12はSnapdragon 8 Gen 1搭載。でもAnTuTu100万点は出ない
Xiaomi 12は、SoCに「Qualcomm Snapdragon 8 Gen 1」を搭載しています。
AnTuTuベンチマーク(Ver.9)でXiaomi 12の性能を何度か計測したところ94万~96万点程度で、100万点には届きませんでした。
Xiaomi 12 Proでは100万点を出すことができたのですが、これはおそらく冷却性能の差でしょう。Xiaomi 12は小型である分、冷却用のVCプレートも小さくなっています。
実際に最も処理性能を要求すると言われているゲーム「原神」を最高設定でプレイしてみたところ、1時間でバッテリー温度42℃とそれなりに発熱します。
とは言え、滅茶苦茶に熱いというわけでもなく許容範囲でしょう。また、このような高負荷のゲームでこれくらい発熱するのは、最近では当たり前になってきています。
なお、ゲーム終了後に15分ほど放置すると10℃下がり、32℃になりました。冷却性能がものすごく優秀というわけではないですが、「とにかく熱くて使えない」「動作に支障を来たす」といったことは起きませんでした。
また、メモリ/ストレージ規格はそれぞれLPDDR5、UFS3.1といった最高クラスの規格に対応しているので、データの読み書きは非常にスムーズです。
Xiaomi 12は明るく鮮やかなAMOLEDディスプレイ搭載
Xiaomi 12は、ディスプレイに6.28インチのAMOLEDディスプレイを採用。ピーク輝度は1,100nitsとかなり明るく、世界的なディスプレイ評価機関「DisplayMate」によってA+の評価を得ています。
その他、最大120Hzのリフレッシュレート、最大480Hzのタッチサンプリングレート、DCI-P3の色空間、12bitの色表現(680億色!)に対応しているので、非常に滑らかに動き鮮やかです。
中央上部には小さなパンチホールがあり、インカメラが収められています。また、サイドは僅かに湾曲したエッジスクリーンで、ガラスには「Gorilla Glass Victus」を採用。最強クラスの耐久性を持ちます。
Xiaomi 12は5000万画素SONY IMX 766メイン含むトリプルカメラ搭載
Xiaomi 12は、背面にトリプルカメラを搭載しています。構成は以下の通りです。
・メイン(広角):5000万画素 (Sony IMX 766)
・超広角:1300万画素
・テレマクロ:500万画素
また、カメラソフトウェアが従来よりも強化されており、アプリの起動、撮影、連続撮影、夜景撮影が全て大幅に高速化しています。
動画については8K、4K、1080p、720pでの撮影が可能。対応フレームレートは以下の通りです。
画質 | フレームレート |
8K | 24FPS |
4K | 30/60FPS |
1080p | 30/60FPS |
720p | 30FPS |
3つのカメラを使って実際に撮影してみました。以下、作例になります。
ギャラリー
AI補正で色鮮やかな写真が撮影可能
Xiaomi 12は、SONYの優秀なセンサー「IMX 766」を搭載しており、自然な発色の写真を撮ることができます。
オートフォーカスも速く正確で非常に扱いやすいカメラだと思います。画面に映る被写体をダブルタップして追尾することもできます。
またAI補正をオンにして、より発色が鮮やかな写真を撮ることができます。


←補正なし:補正あり→
(表示されていない場合、ページを再読み込みしてください)
上記のスライダー付き画像は、左がAI補正なし、右がAI補正ありとなっています。AI補正を入れると僅かながら色が濃くなり、より「映える」写真にすることができます。自然かつ極端に大きくは変わらないので、基本的にはオンで良いと思います。
しかし、HDR性能はあまり高くないと思います。太陽を直接写真の中に収めてしまうと、完全に黒潰れはしていないものの全体的に写真が暗くなってしまいます。
2倍デジタルズーム超広角カメラも悪くない
Xiaomi 12は望遠カメラはありませんが、10倍までのデジタルズームが可能。また超広角カメラがあるので、広い画角で写真を撮ることができます。

1倍

2倍
1倍と2倍でそれぞれ撮影してみました。2倍でも1倍とそう変わらない解像感の写真になっています。

3倍

4倍
続いて3倍、4倍でそれぞれ撮影してみました。流石にちょっと粗さが分かるようになってきますが、それでも優秀な部類だと思います。

5倍

10倍
さらに5倍、10倍でそれぞれ撮影しました。流石に5倍まで拡大すると限界を感じます。それ以上の拡大は、記録用や遠方の確認用などには使えるかと思います。
- メイン
- 超広角
メインカメラ(広角)と超広角カメラで同じ場所から撮影しました。超広角カメラの方が広い画角で撮影できており、色味もそれほど変わらないように見えます。
超広角カメラはメインカメラよりはセンサーサイズが小さいので、夜の撮影には向かないものの日中の撮影では十分な性能を持っていると思います。
自動夜景機能で手軽に美しい夜景が撮影できる
Xiaomi 12は自動夜景機能を搭載しています。これは、夜景のオート撮影時に自動で暗さを測定し、1~5秒の間でシャッタースピードを調節。夜景をより美しく写真に収めることができる機能です。


←補正なし:補正あり→
(表示されていない場合、ページを再読み込みしてください)
一々「夜景モード」を選ばずとも自動で補正をしてくれるので、手軽に美しい夜景写真を撮影可能。メインカメラにはOIS(光学式手振れ補正)があるので、ブレを気にすることなく撮れます。

従来の夜景モード使用
しかし、従来の手動で選ぶ夜景モードも搭載しています。こちらの方が全体的に明るく補正されていますが、自動夜景の方がメリハリはある印象なので、シーンによって使い分けてみるのも良いでしょう。
非常に良好なマクロカメラ
Xiaom 12は専用のマクロカメラを搭載しています。
- メインカメラ
- マクロカメラ
メインカメラは一定距離よりも寄ってしまうとピントが合わなくなります。しかし、上掲の写真の通りマクロカメラであればここまで寄ることが可能。小さな花や虫なども精細に写真に収めることができます。
さらにマクロカメラは2倍までのズームが可能となっています。拡大してもしっかり解像感があり、十分実用的です。
細い輪郭もとらえるポートレートモード
Xiaomi 12は被写体の背景をしっかりぼかすポートレートモードを搭載しています。
某ハンバーガーチェーンで撮影しました。しっかり、ドリンクのストローの輪郭を捉えてくれています。
Xiaomi 12 カメラ総評:誰でも扱いやすく、全体的に良好
Xiaomi 12のカメラ性能の総評については以下の通りです。
✅シャッターやフォーカスがスピーディで使いやすい
✅メインカメラは発色がよく夜景も良好
✅AI補正入りでも自然な発色。使いやすい
✅ズーム性能は悪くないが、あくまでデジタル
✅超広角、マクロカメラも使いやすく日中は写り良し
実際に使用してみて、非常に扱いやすいカメラだと思いました。スピーディかつ正確なオートフォーカスで、日中も夜景も、細かい調整なく誰でも簡単にパッと写真が撮れてしまいます。
以前のシャオミはこの辺が弱かったのですが、同シリーズで大きく改善。画面の被写体をダブルタップして、フォーカスをロックすることもできるので、動く被写体も手軽に撮影できます。
また、超広角およびマクロカメラもしっかり光量があれば、精細で鮮やかな写真が撮影できます。
望遠カメラがなかったり、メインカメラが「Mi 11 Ultra」や「Xiaomi 12 Pro」等と比べるとセンサーサイズで劣るといった欠点はあるものの、価格以上の撮影体験ができると思いました。
Xiaomi 12は高音質Harman Kardonスピーカー搭載
Xiaomi 12 ProはHarman Kardonが監修したデュアルスピーカーを搭載。音量もしっかりあり、バランスの整ったサウンドが楽しめます。
また、横持ちの際にスピーカーは左右対称となるので、両手で持ってもどちらかが手で塞がれてしまうこともありません。これにより、ゲームや動画視聴を不満なく楽しむことができます。
ただし、3.5mmイヤホンジャックは非搭載。Type-C変換アダプタかワイヤレスイヤホンを使いましょう。
Xiaomi 12は最大67Wの急速充電対応
Xiaomi 12 Proのバッテリー容量は4,500mAhで、67W有線急速充電、50Wワイヤレス急速充電、10Wリバース充電にそれぞれ対応しています。

Type-C以外にもワイヤレスでの充電が可能
67W急速充電の充電速度を検証
Xiaomi 12は67Wの有線急速充電が可能です。そこで、バッテリー残量が0%の状態から充電時間を計測してみました。
結果は以下の通りです。
充電時間 | バッテリー |
10分 | 38% |
20分 | 65% |
30分 | 87% |
40分 | 98% |
42分 | 100% |
結果、満充電にかかる時間は約42分で、20分も充電すれば60%を超える充電が可能。流石に67Wもの高出力なので、十分優秀です。
50Wワイヤレス急速充電の充電速度を検証
Xiaomi 12は50Wのワイヤレス急速充電が可能です。そこで、バッテリー残量が0%の状態から充電時間を計測してみました。
結果は以下の通りです。
充電時間 | バッテリー |
10分 | 28% |
20分 | 50% |
30分 | 73% |
40分 | 89% |
50分 | 98% |
52分 | 100% |
ワイヤレス急速充電で満充電にかかる時間は約52分でした。50%充電するのにもたったの20分です。
置くだけの手軽なワイヤレス充電がこれだけの速さで出来てしまうので、非常に快適です。
バッテリー持ちを検証
Xiaomi 12は、比較的容量の大きい4,500mAhバッテリーを搭載しています。
バッテリーを100%にし、輝度約60%、音量100%の状態で、Amazon Prime Videoを標準画質で二時間再生させ、バッテリー持ちの検証を行いました。他の端末との比較表は以下の通りです。
1時間後 | 2時間後 | |
Xiaomi 12 | 93% | 85% |
Xiaomi 12 Pro | 91% | 81% |
Redmi Note 11 | 94% | 87% |
iPhone SE | 91% | 78% |
結果はXiaomi 12のバッテリー持ちは普通に良いです。処理性能がもっと低く5,000mAhバッテリーを搭載する「Redmi Note 11」と比べれば若干劣るものの、最高峰のSoCを搭載してこれだけ持つのはむしろかなり良いとも思います。
当然ゲームを長時間プレイしているとガッツリ減るものの、日常使用や軽くSNSを触る程度なら1日しっかり持つことでしょう。

Xiaomi 12は超高速の画面内指紋/顔認証に対応!
Xiaomi 12は画面内指紋認証、顔認証の両方に対応しています。
Xiaomi 12
超高速の指紋/顔認証 pic.twitter.com/UM8WXqeuTd— やずX@Xiaomiに詳しいブロガー (@F10Dfjtu) March 16, 2022
反応速度は非常に良く、特に少し触れただけで一瞬で解除される画面内指紋認証には驚きました。前フラッグシップの「Mi 11 Ultra」は明らかに指紋認証が遅いのですが、かなり改善された印象。全くストレスなく使えます。
Xiaomi 12 スペック表
Xiaomi 12のスペック表は以下の通りです。
Xiaomi 12(グローバル版) | |
OS | MIUI 13 |
SoC | Snapdragon 8 Gen 1 |
メモリ | 8 / 12GB, LPDDR5 |
容量 | 128 / 256GB, UFS3.1 |
画面 | 6.28型 (FHD+, 2400×1080) AMOLED 419PPI, 12bit, DCI-P3, HDR10+ ピーク輝度: 1100nit 16000段階の輝度調整 リフレッシュレート: 120Hz タッチサンプリングレート: 480Hz DisplayMate A+ Gorilla Glass Victus |
カメラ (背面) |
メイン:5000万画素 (IMX766)+OIS 超広角:1300万画素 マクロ:500万画素 |
カメラ (正面) |
3200万画素 |
電池 | 4500mAh |
充電 | 67W有線急速充電 50Wワイヤレス急速充電 10Wリバース充電 |
音響 | デュアルスピーカー Harman Kardon |
寸法 | 152.7 × 69.9 × 8.16 mm, 180g |
5G | n1/n3/n5/n7/n8/n20/n28 /n38/n40/n41/n66/n77/n78/n79 |
4G | LTE FDD: B1/2/3/4/5/7/8/12/13 /17/18/19/20/25/26/28/32/66 LTE TDD: B38/39/40/41/42/48 |
その他 | Wi-Fi 6 |
セール価格 | 8+128GB: 549ドル(約6.5万円)~ |
ソース:Xiaomi
技適未取得機器を用いた実験等の特例制度について
この記事で紹介している「Xiaomi 12 グローバル版」は日本国内で発売されていない技適未取得機器に該当します。筆者は技適未取得機器を用いた実験等の特例制度に基づき、総務省に申請を行ったうえで使用・検証を行っています。
Xiaomi 12 レビューまとめ:ユーザー体験重視。シャオミ史上最高の完成度
Xiaomi 12のレビューをお届けしました。実際に使ってみて感じた主な特徴は以下の通りです。
ポイント
✅控えめなサイズで取り回し良好なハイエンド機
✅高いSoC性能で動作良好。ただしAnTuTu100万点は出ない
✅明るく視認性良好なディスプレイ
✅使いやすいカメラ。ソフトウェアが優秀
✅小型ボディながら迫力サウンドが楽しめるスピーカー
✅最大67Wの充電方式に複数対応。意外とバッテリー持ちも良い
全体的な評価としては、とにかく使いやすいハイエンドスマホだと思いました。
最近では珍しくなった比較的小型のハイエンド機で取り回しは良好。特に飛びぬけてすごいという訳ではないものの、極端に気になるところもなく完成度の高い優等生です。
以前のシャオミ製スマホ、ソフトウェアの未完成感や不具合、発熱の強さなどに不満がありましたが、Xiaomi 12ではほとんどが解消されています。
カメラソフトも優秀で、素早く正確なオートフォーカス、被写体への追従、自動夜景といった機能等により手軽に良い写真が撮れます。
小型で扱いやすいハイエンドAndroidスマホが欲しい方には是非使ってもらいたいと思います。