シャオミが11月5日に日本発売予定のハイエンドスマートフォン「Xiaomi 11T Pro」は、独自充電技術「120W Xiaomi ハイパーチャージ」に対応しており、僅か17分での満充電が可能と謳われています。
これについて、日本では120Wの出力を発揮できないのではないかと噂されていましたが、日本版には日本の一般家庭でも120W出力可能な充電器が付属するとのことです。Engadget日本版が伝えています。
この記事では、以上の件に加えて、その技術の仕組みと安全性についてもまとめています。
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Xiaomi 11T Pro日本版には、日本仕様120W急速充電器が付属
当初、日本公式のMi.comには海外公式と同じく「最大出力電力は 120 W (入力電圧 220 ~ 240 V の場合)、96 W (入力電圧 100 ~ 120 V の場合)です。一部の地域では、入力電圧の上限に基づき最大出力電力が 120W にならない場合があります。」とする記載がありました(現在は削除)。
これを根拠に、日本の多くの一般家庭では入力電圧100Vであるため、96W充電になるのではないかと噂されていました。
ところが、このたびシャオミ広報担当者がEngadget日本版の質問に答え、100V環境で最大120W出力が可能な充電器が日本では用意されていると述べたとのことです。
120W急速充電に対応していることは本機の大きな魅力の一つであり、その出力が日本で発揮できないのであればあまりに勿体ない話でした。今回、日本で120W急速充電が可能なことが判明し、忙しい現代人の大きな味方になることが期待されます。
参考▷Xiaomi 11T Proは日本でも120W充電に対応、日本仕様の充電器が付属
120W Xiaomi ハイパーチャージは業界最高レベルの急速充電技術
120W Xiaomi ハイパーチャージは、業界最速クラスの充電速度を誇ります。
シャオミは、常に最先端のバッテリーと充電体験を提供するために、充電技術の限界に挑戦。2年前に発売されたMi 9は27Wでしたが、その後もより出力の高い充電技術へ革新を続け、Xiaomi 11T Proでは120Wに達しました。
また、Xiaomi 11T Proのバッテリー技術は、業界で最も優れた組み合わせの一つです。
このような極めて速い充電速度と大きなバッテリー容量の両立は、通常、容易ではありません。しかし、シャオミは技術革新により、Xiaomi 11T Proのコンパクトなスペースに120Wの急速充電と5000mAhのバッテリーを収めることに成功しました。
120W Xiaomi ハイパーチャージの仕組み
シャオミは、新たなテクノロジー開発のために、膨大な研究開発投資を行ってきました。
120W Xiaomi ハイパーチャージには、シャオミが生み出した新たなテクノロジーが複数採用されており、驚異的な速度の充電を可能にしています。
120W充電を実現する新しい充電構造
Xiaomi 11T Proは、従来の方式とは異なる新たな充電構造を採用。これは2つの方式で成り立ち、電圧と電流の比率を調整することで、充電力を向上させます。
1つは、デュアルチャージポンプです。電圧と電流を最適な比率に調整するこの技術は、電圧を下げつつ電流を上げることで、従来の電圧制限を克服し、より大きなワット数の取り込みを可能にします。
もう一つは、デュアルセルバッテリーです。1つのバッテリーでは限界があるため、2つのバッテリー構造にすることで、入力を2倍にすることができます。
以上の2つの技術を組み合わせることで、シャオミは飛躍的な充電力の向上を達成しました。
電流の流れを改善するMTWテクノロジー
MTWテクノロジーは、より大きな電流を取り込むことで、より優れた熱制御を実現し高速充電を可能にします。
MTW(Multiple Tab Winding)は、バッテリーへの電流の流れを改善する新しいバッテリー技術です。MTWは、複数の陽極と陰極のタブを備えており、電流経路の短縮、内部抵抗の低減、より大きな電流の取り込みによる熱制御の向上を可能にします。
Mi-FCテクノロジーで充電時間短縮
Mi-FCテクノロジーは、効率的で安定した高エネルギー出力による究極の充電体験を提供します。
従来は、バッテリーが100%に近づくと充電速度が大幅に低下していました。Mi-FCは、大電流の時間を延長し、セルの電流と電圧のリアルタイムモニタリングに対応。その結果、トリクル充電の時間を大幅に短縮。満充電まで17分という驚異的な充電速度を実現しました。
※トリクル充電:微弱な電流を流して充電し続けること
高い導電性を持つグラフェンベース・リチウムイオン
シャオミは、導電性・熱伝導性に優れたグラフェンをリチウムイオン電池に応用しました。
Xiaomi 11T Proのバッテリーは、グラフェンベースのリチウムイオン技術により、従来のバッテリーよりも高い伝導性を備えています。これにより、効率的な充電を可能にしました。
放熱を早めるリキッドクール・テクノロジー
また、120W Xiaomi ハイパーチャージは単に高速な充電技術ではありません。
リキッドクール・テクノロジーにより、高い放熱性能を実現。これにより、常に効率的な充電が可能です。
120W Xiaomi ハイパーチャージの安全性
120W Xiaomi ハイパーチャージは、安全性を第一に考えた高速充電技術でもあります。
充電器から回路、バッテリーまで、充電サイクル全体を網羅する34の充電・バッテリー安全機能を搭載しています。また、9つのサーマルセンサーがリアルタイムに温度を監視し、常に安全な充電を実現します。
安全性の確保と劣化しにくいバッテリー実現への取り組み
シャオミは、安全性・耐久性を重視し、最適なバッテリー寿命を確保するための継続的な取り組みを行ってきました。
120W Xiaomi ハイパーチャージは、ドイツの認証機関「テュフ・ラインランド」から安全認証を受けています。
「テュフ・ラインランド」は、技術、安全、証明サービスに関する世界的に権威ある機関です。シャオミは同機関と緊密に連携し、120W Xiaomi ハイパーチャージは数々の厳しいテストに合格しています。
また、Xiaomi 11T Proのバッテリーは簡単に劣化しません。800回の完全充電サイクルで元の容量の最大80%を保持するように設計されています。
-10°Cの厳しい環境でも充電可能
120W Xiaomi ハイパーチャージは、マイナス10℃の環境でも充電が可能です。
マイナス10℃の環境下でも、最大12Wの充電速度を実現します。
利便性も高い120W Xiaomi ハイパーチャージ
Xiaomi 11T Proには120W Xiaomi ハイパーチャージに対応した充電器が付属します。
この充電器は、スマートフォンだけでなく、PCやタブレット、ワイヤレスイヤホンといった多くのデバイスに使用することができます。これ一つあれば、毎日の生活をより便利に、より多くの充電シーンに対応することができるとのこと。
前述の通り、Xiaomi 11T Pro日本版には、日本の一般家庭に対応した120W急速充電器が付属します。
120W Xiaomi ハイパーチャージまとめ
Xiaomi 11T Proに採用されている充電技術「120W Xiaomi ハイパーチャージ」の仕組みと安全性の秘密についてまとめました。
シャオミは、常に新たなテクノロジー開発を目指し、研究開発に膨大な投資を行ってきました。これにより、様々な技術革新を成し遂げています。
「120W Xiaomi ハイパーチャージ」はこれら複数の最新技術を組み合わせることで、優れた安全性を確保しつつ、5000mAhのバッテリーを僅か17分で満充電するという驚異的な充電速度を実現しています。
今後、Xiaomi 11T Proだけでなく、より多くのスマートフォンに優れた充電技術が採用されていくことを期待したいと思います。
ソース:Engadget日本版、Xiaomi