2020年11月末、シャオミ(Xiaomi)からRedmiシリーズ最新端末「Redmi Note 9 Pro 5G」が発表されました。曰く「ハイエンド並のカメラ」「ミドルハイクラスの新型SoC」を搭載しながらも日本円で超破格の2.5万円からの提供・・・。
同じく約2.5万円の超コスパで日本でも発売されている「Redmi Note 9s」よりさらに上位のモデルですが、現状大陸版およびインド版(Mi 10i)のみの発売であり、日本で発売される情報はありません。
筆者は大陸版を購入したので、以下レビューをお届けします。
※なお、筆者が購入したのは8GB+126GBモデル(約2.8万円)です。
技適未取得機器を用いた実験等の特例制度について
この記事で紹介している「Redmi Note 9 Pro 5G」は日本国内で発売されていない技適未取得機器に該当します。筆者は技適未取得機器を用いた実験等の特例制度に基づき総務省に申請を行ったうえで使用・検証を行っています。
ジャンプできる目次
- 1 Redmi Note 9 Pro 5Gのスペック
- 2 Redmi Note 9 Pro 5Gの本体・付属品
- 3 Redmi Note 9 Pro 5Gの1億画素カメラ性能を検証
- 4 Redmi Note 9 Pro 5GのAntutuスコアは?
- 5 Redmi Note 9 Pro 5Gは電池持ち・充電速度ともに優秀
- 6 Redmi Note 9 Pro 5Gは重量級のサイズ感
- 7 Redmi Note 9 Pro 5Gの対応バンド
- 8 Redmi Note 9 Pro 5GのGMSなし・日本語化問題
- 9 Redmi Note 9 Pro 5Gを買うメリット・デメリット
- 10 Redmi Note 9 Pro 5Gのレビューまとめ:とにかくコスパが凄いが大陸版のみ
Redmi Note 9 Pro 5Gのスペック
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Antutuスコア35万点に達するとされる「Snapdragon 750G」を搭載し、メインカメラはハイエンド端末並の108MP、ディスプレイは液晶ながら120Hzのリフレッシュレートに対応と、Antutu約25万点、48MPカメラ、液晶60HzだったRedmi Note 9sと比べるとかなり進化しています。
しかも2.5万円~でこのスペック・・・。驚異的なコスパです。
Redmi Note 9 Pro 5Gの本体・付属品
箱はシンプルなホワイトに、大きなゴールドの文字で「Note 9 Pro」と書かれています。
開封してみました。本体に加えて、急速充電器、充電器のUSBケーブル、クリアケース、SIMピン、説明書が付属します。
大きなカメラユニットとブルーとピンクのグラデーションが印象的です。マットな質感でサラサラしており、いつものシャオミらしいギラギラした背面ではありません。
カメラユニットのアップ。大きな丸形で1億画素メインカメラを含む4つのカメラが収められています。
また、スピーカーはステレオとなっており、音質は値段を考えればかなり良い音を出しています。
Redmi Note 9 Pro 5Gの1億画素カメラ性能を検証
アウトカメラ
・メイン(広角):108 MP, f/1.8, 26mm, 1/1.52", 0.7µm, PDAF, SAMSUNG ISOCELL HM2
・超広角:8 MP, f/2.2, 118˚, 1/4.0", 1.12µm
・マクロ:2 MP, f/2.4
・深度センサー:2 MP, f/2.4
メインカメラはサムスン製最新型センサーを搭載した1億800万画素となっています。意味が分からないくらいの画素数ですが、その実力を試すために撮影してきました。どうぞご覧ください。
※ブログの仕様で解像度自体は落ちています。
1億画素Samsung ISOCELL HM2の実力とは
ISOCELL HM2搭載の1億画素カメラは解像度の高さは間違いありません。また、画素数を落とさずに2倍まで拡大して撮ることができ、非常に強力なボケを出すことができます。
上の写真をスマホ上で限界まで拡大した写真がこちら。細かな繊維、質感まで正確に捉えており、解像感の非常に高い写真となっています。
オート撮影
オート撮影では色鮮やかな美しい写真を撮ることができました。
ポートレート撮影
ポートレート撮影では、自然かつ強力なボケ感が出ていました。草木や枝の複雑なディティールも捉えており、不自然さもなくしっかり撮れています。
ナイトモード撮影
夜の公園でナイトモードを使って撮影してみましたが、非常に明るく撮れています。フレアやゴーストが発生してしまっているものの、細かいディティールは潰れていません。
細かい不満点はありますが、思い出してください。これ2.5万円で買えます。
Redmi Note 9 Pro 5GのAntutuスコアは?
Redmi Note 9 Pro 5GはSoCに「Snapdragon 750G」を搭載しています。計測結果はトータルスコアで34万点を超えました。
既に多くの端末に搭載されている「Snapdragon 765G」端末の多くが32万点前後であることを考えると、非常に優秀な数値と言えます。
しかしながら、細かく見ていくとCPU・MEM・UXでSnapdragon 765Gを上回った一方で、GPUスコアは1万点以上低い結果です。GPUはゲームなどで重要な画像処理に関わる部分なので、ゲーム性能を期待するならSnapdragon 765Gの方が良さそうです。
ただ、それ以外の数値はすべて高いため、その他のアプリ等の起動・動作ではより優れていると言えます。実際に使ってみて、120Hzというリフレッシュレートも相まってか、非常に軽快に動作している印象で、普段使いには十分なパフォーマンスです。
そして、思い出してください。これ2.5万円で買えます。
Antutuベンチマーク・スコアの見方
GPU:グラフィック(ゲーム)性能
UX:操作性能(使いやすさ)
MEM:ストレージへの読み書き性能
Redmi Note 9 Pro 5Gは電池持ち・充電速度ともに優秀
電池持ち
電池持ちについても検証を実施。バッテリーを100%にし、機内モードでWi-fiに接続してAmazon Prime Videoを二時間再生しています。参考のためRedmi Note 9S、Realme 7 5Gも同条件で検証しました。
Redmi Note 9 Pro 5G | Redmi Note 9S | Realme 7 5G | |
性能 | バッテリー容量:4,820mAh SoC:Snapdragon 750G |
バッテリー容量:5,020mAh SoC:Snapdragon 720G |
バッテリー容量:5,000mAh SoC:Dimensity 800U |
検証1時間後 | 94% | 96% | 92% |
検証2時間後 | 87% | 91% | 84% |
Redmi Note 9 Pro 5Gは丁度両者の中間でした。
バッテリー持ちの鬼Redmi Note 9Sが相手だと分が悪いですが、この中で最も高性能なSoCを搭載し、バッテリー容量も少ないことを考えると、むしろ上々の結果で非常によく持っていると思います。
充電速度
また充電速度についても検証を実施。バッテリー10%の状態から、付属の33W急速充電器で充電を行いました。
充電開始時 | 30分後 | 52分後 |
10% | 75% | 100% |
結果は、わずか30分で75%、52分後には100%に達しました。0%から始めれば、おそらく約1時間ほどで100%まで充電される計算で、充電速度は非常に優秀でした。
Redmi Note 9 Pro 5Gは重量級のサイズ感
サイズは縦165.4 x 横76.8 x 厚み9mmで本体重量は215g。付属のケース・フィルム含めてのトータルの重量は239gでした。結構なサイズ・重量感なので両手持ちが基本になりそうです。
私が所有するOnePlus 8、iPhonse SEがそれぞれケース・フィルム含めて200g、161gなので、それらと比べると重量級のサイズ感です。
なお、カメラはそこそこ出っ張っています。付属のケースもカメラをしっかり覆うタイプで出っ張りは解消されません。この辺は好みが分かれそう。
しかし、細かいことは気にしてはいけません。思い出してください。これ2.5万円で買えます。
Redmi Note 9 Pro 5Gの対応バンド
Redmi Note 9 Pro 5Gの対応4Gバンドと、日本の各回線で必須とされるバンドについては以下の通り(5Gは割愛します)。
対応4Gバンド
Redmi Note 9 Pro 5G 対応4Gバンド:1, 3, 5, 7, 8, 34, 38, 39, 40, 41
ドコモ必須バンド:1, 3, 19
au必須バンド:1, 18/26
ソフトバンク必須バンド:1, 8
もし日本で使うとしたらソフトバンク回線でなら・・・という感じでしょうか。対応バンドを追加して日本で発売してくれたら嬉しいですね。
Redmi Note 9 Pro 5GのGMSなし・日本語化問題
中国版なので致し方ないですが、中国ROMなのでGMS(Google Mobile Service)がなく、基本的に中国語・英語にしか対応していません。ただ、GMSは後から入りますし、設定項目はほとんど日本語化されないもののアプリ等は日本語化可能です。「Xiaomi 中国版 gms」「Xiaomi 中国版 日本語化」でぐぐると色々方法が出てきますので探してみてください。
ただ、日本語化した後も漢字が中国語フォントになっています。日本語漢字フォントにするためには「Themes」アプリを起動し、「Fonts」から「Roboto」というフォントをインストールしてください。これで日本語漢字フォントになります。
なお、筆者はeu.ROMを焼いてGMS・日本語に対応しています。やり方を間違えると文鎮化のリスクがありますが、できればこちらをオススメします。
Redmi Note 9 Pro 5Gを買うメリット・デメリット
・強力な1億画素センサーISOCELL HM2搭載
・Antutu約35万点
・リフレッシュレート120Hzで動作軽快
・33W急速充電でサクッと満充電
・割と音質の良いステレオスピーカー搭載
・やっぱりでかくて重い
・メインカメラ以外はおまけ
・日本語、GMS問題
Redmi Note 9 Pro 5Gを買うメリット・デメリットをまとめてみました。2.5万円~と考えれば、強力な1億画素カメラ、サクサク動く処理性能、高リフレッシュレート、33W急速充電、ステレオスピーカー搭載とかなり頑張っている・・・というか、ぶっ壊れたコスパです。
一方、問題としては大陸版ROMであり、GMSと言語の問題が立ちふさがります。いずれも中途半端な形で導入は出来るものの、快適に使おうと思えばeu.ROMを焼いた方が良さそうです。
※ほぼ同仕様でグローバルROMのMi 10iもありますが、インドからの輸入は困難です。
Redmi Note 9 Pro 5Gのレビューまとめ:とにかくコスパが凄いが大陸版のみ
Redmi Note 9 Pro 5Gレビューをお届けしました。
強力な1億画素カメラ、新型SoC「Snapdragon 750G」を搭載し、その他にも付加価値盛り盛りで2.5万円~という驚異のコスパ端末ですが、ROM焼きしないと快適に使うことは難しいです。
一方、同センサー(Samsung ISOCELL HM2)を搭載した端末が次々発表されています。グローバル版が発売されているRedmi Note 10 Proもその一つ。こちらはGMS・日本語が問題なく使えるので、1億画素カメラが気になる方は是非購入してみてください!