Redmi K50 Proはシャオミの最新ハイエンド・スマートフォンで、高性能SoC「MediaTek Dimensity 9000」を搭載したモデルです。
筆者は、中国で発売後にすぐ購入して1週間ほど使ってみたので、レビューをお届けします。
ジャンプできる目次
- 1 Redmi K50 Proの特徴
- 2 Redmi K50 Pro 本体と付属品をチェック
- 3 Redmi K50 ProはDimensity 9000搭載。AnTuTuは100万点超え!
- 4 Redmi K50 ProはSamsung製有機ELディスプレイ搭載。最大2K画質に対応!
- 5 Redmi K50 Proはトリプルカメラ搭載。メインカメラは1億画素+OIS!
- 6 Redmi K50 Proはデュアルスピーカー搭載
- 7 Redmi K50 Proは最大120Wの急速充電対応
- 8 Redmi K50 Proは側面指紋/顔認証に対応
- 9 Redmi K50 Proのスペック
- 10 Redmi K50 Pro レビューまとめ:カメラ以外は◎
Redmi K50 Proの特徴
Redmi K50 Proの主な特徴は以下の通りです。GoodポイントとBadポイントに分けてまとめました。
Good
✅「MediaTek Dimensity 9000」搭載のハイエンドモデル
✅3,950平方ミリメートルの大型VC冷却
✅2K/120Hz対応のSamsung有機ELディスプレイ
✅OISを備えた1億800万画素カメラ搭載
✅強化されたAIと優れたISPで画像処理速度が向上
✅120W急速充電対応の5,000mAhバッテリー
Bad
✅使ってみると分かる微妙すぎるカメラ性能
✅ワイヤレス充電非対応
✅防塵防水はIP53程度(生活防水)
以上のように、期待の高性能チップセットDimensity 9000を搭載しており、OIS(光学式手振れ補正)も備えていることが売りのモデルです。
しかし、カメラ性能については全く微妙でした。詳細はカメラの項目(後述)をご覧ください。
Redmi K50 Pro 本体と付属品をチェック
本体をチェック
Redmi K50 Proは高性能なハードウェアを複数搭載したモデルですが、厚さは8.48mmに抑えられています。
筆者が購入したのは人気の「墨羽」モデルで、隕石をイメージしたという独特のデザインが印象的です。
大型のスマホですが、側面はラウンド形状となっているので、グリップ感がよく持ちにくくありません。
サイドフレームは樹脂素材ですが、背面パネルは最近シャオミがよく採用しているAGガラス。反射がすごいです。
長方形のカメラモジュールは二段の出っ張りがあり、3つのカメラがサークル状に配置されています。
端末正面から見て右側面には、左からボリュームキーと電源ボタンがあります。
端末正面から見て左側面にはボタンや穴等は全くありません。
天面には、左からスピーカー穴、IRブラスター(赤外線リモコン)、マイク穴があります。
底面には、左からスピーカー穴、Type-C充電ポート、マイク穴、SIMカードスロットがあります。
パッケージと付属品をチェック
Redmi K50 Proは白いパッケージにゴールドの大きな「K50」のロゴが印象的。サイドにも大きく「120W」「2K」と書かれています。
パッケージ内容
✅本体
✅TPUクリアケース
✅フィルム(貼付済)
✅120W充電器&ケーブル
✅SIMピン
✅説明書等
パッケージ内容は以上の通り。ケース、フィルム、充電器がセットになっており、そのまま使い始めることができます。
Redmi K50 ProはDimensity 9000搭載。AnTuTuは100万点超え!
Redmi K50 Proは、SoCに「MediaTek Dimensity 9000」を搭載しています。
AnTuTuベンチマーク(Ver.9)でRedmi K50 Proの処理性能を計測してみました。バッテリーの設定から「パフォーマンスモード」にしておくと、100万点を超えるスコアを記録することができます。
また、この状態で最も処理性能を要求すると言われているゲーム「原神」を最高設定で1時間プレイしてみたところ、バッテリー温度は最高で44°でした。
流石にそこそこ熱くはなったものの持てないほどではありません。またバッテリー設定で「パフォーマンスモード」にしておけば、最高設定の原神でもヌルヌルサクサク動作します。
最近のトレンドである大型ベーパーチャンバー(3,950平方ミリメートル)も搭載しているので冷却性能も優秀。ゲーム終了後10分放置で、人肌程度の37°まで下がりました。
Redmi K50 ProはSamsung製有機ELディスプレイ搭載。最大2K画質に対応!
Redmi K50 Proは、ディスプレイに6.67インチのSamsung製有機ELディスプレイを採用。ピーク輝度は1,200nitsとかなり明るく、世界的なディスプレイ評価機関「DisplayMate」によってA+の評価を得ています。
さらに解像度は驚異の2K(3,200 x 1,440ピクセル)で、最大120Hzのリフレッシュレート、最大480Hzのタッチサンプリングレートにも対応しているので、ディスプレイの満足感は非常に高いです。
なお、インカメラは画面の中央上部の小さなパンチホールに収められています。ガラスには「Gorilla Glass Victus」を採用しているので、非常に高い耐久性を持ちます。
Redmi K50 Proはトリプルカメラ搭載。メインカメラは1億画素+OIS!
Redmi K50 Proは、背面にトリプルカメラを搭載しています。構成は以下の通りです。
・メイン(広角):1億800万画素 +OIS
・超広角:800万画素
・マクロ:200万画素
また、従来よりも改善されたカメラAIとDimensity 9000の強力なISPにより、画像処理速度やAI計算能力が大幅に向上しているとのことです。
動画については4K、1080p、720pでの撮影が可能。対応フレームレートは以下の通りです。
画質 | フレームレート |
4K | 30FPS |
1080p | 30/60FPS |
720p | 30FPS |
3つのカメラを使って実際に撮影してみました。以下、作例になります。
ギャラリー
自然な色合いで万人受けしそう。撮影速度は速い
Redmi K50 Proは、メインカメラに1億800万画素の「Samsung Isocell HM2」を搭載しています。
これは、シャオミがミドルレンジの上位端末に採用することが多いセンサーです。
色合いは濃くも薄くもなく丁度良い感じで、万人受けすると思います。OISが手振れを抑えてくれるだけでなく、カメラアプリの起動や撮影速度は優秀。また、それなりに連写も効くので使いやすいカメラになっていると思います。
またAI補正をオンにして、より発色が鮮やかな写真を撮ることができます。


←補正なし:補正あり→
(表示されていない場合、ページを再読み込みしてください)
上記のスライダー付き画像は、左がAI補正なし、右がAI補正ありとなっています。AI補正を入れると僅かながら色が濃くなり、コントラストも少し強めになります。好みやシーンによって使い分けると良いでしょう。
HDR性能は良くも悪くもないですが、太陽を直接とらえても桜の色がちゃんと出ているので使えないレベルではありません。
ズーム性能は低い。超広角はまあまあ使える
Redmi K50 Proは望遠カメラはありませんが、10倍までのデジタルズームが可能。また超広角カメラがあるので、広い画角で写真を撮ることができます。
1倍
2倍
1倍と2倍でそれぞれ撮影してみました。2倍ズームにするとところどころ解像感が微妙な部分が出ており、微妙な性能です。
3倍
4倍
続いて3倍、4倍でそれぞれ撮影してみました。流石に粗さが目立つようになり、「絵っぽさ」が出てきます。
5倍
10倍
さらに5倍、10倍でそれぞれ撮影しました。細部がかなり粗くなって潰れていることが分かります。
メインカメラ(広角)と超広角カメラで同じ場所から撮影しました。超広角カメラの方が広い画角で撮影できており、色味もほとんど変わらないぼで使いやすいと思います。
超広角カメラはメインカメラよりはセンサーサイズが小さいので、夜の撮影には向かないものの日中の撮影では普通に使える性能です。
自動夜景モードは機能せず。手動の夜景もかなり微妙
Redmi K50 Proは自動夜景機能を搭載しています。これは、夜景のオート撮影時に自動で暗さを測定し、1~5秒の間でシャッタースピードを調節して夜景を美しく撮影できる機能の「はず」です。


←自動夜景:手動夜景→
(表示されていない場合、ページを再読み込みしてください)
以上は低照度での作例です。実は、自動夜景モードによる計算はおそらく全く機能していないので、シャッタースピードの調節が行われず一瞬で撮れます。そのため、ほぼ真っ暗な写真になります。
しかたないので、手動で選択できる夜景モードを使用して撮影してみましたが、実はこちらも微妙であまり明るくなりません。


←自動夜景:手動夜景→
(表示されていない場合、ページを再読み込みしてください)
もう少し明るい場所で撮影してみました。手動夜景モードを使用した方が僅かながらですが明るく撮れます。


←Redmi K50 Pro:Xiaomi 11T Pro→
(表示されていない場合、ページを再読み込みしてください)
同じセンサーでOISを搭載していないXiaomi 11T Proと自動夜景モードで撮り比べしてみました。差は歴然で、自動夜景モードが機能しているXiaomi 11T Proは、ある程度明るく撮影することができます。


←Redmi K50 Pro:Xiaomi 11T Pro→
(表示されていない場合、ページを再読み込みしてください)
また、超広角カメラの手動夜景モードで撮り比べしてみました。Xiaomi 11T Proは若干明るく撮れますが、Redmi K50 Proは肉眼でほぼ見たままの真っ暗な写真です。
マクロカメラは低画質。メインカメラの108MPモードを使った方が良い
Redmi K50 Proは専用のマクロカメラを搭載しています。
マクロ(1倍)
ただし、200万画素の低性能カメラなので解像感は非常に微妙です。
マクロ(2倍)
2倍ズームにするとさらに解像感のなさが目立ち、「絵っぽさ」が目立ちます。
108MPモード
実はこの低性能マクロよりも、メインカメラの108MP(1億800万画素)モードを使った方が綺麗に撮れます。


←マクロカメラ:108MPモード→
(表示されていない場合、ページを再読み込みしてください)
それぞれ撮影した写真を拡大して切り取って見ると差は歴然。マクロカメラは事実上ただのお飾りなので使いどころはほとんどありません。
ただし、108MPモードは撮影に1秒くらいかかるので、しっかり固定して撮る必要があります。計算能力の速さを謳っていたのに、かなり遅いです。
108MPモード時の撮影の遅さはその後のアップデートで改善されました。
ポートレートモードは優秀
Redmi K50 Proは被写体の背景をしっかりぼかすポートレートモードを搭載しています。
しっかりストローの輪郭を捉えており、性能は悪くありません。
OISがあるので手振れ補正は優秀
Redmi K50 ProはOIS(光学式手振れ補正)を搭載しています。
Redmi K50 Proの手ぶれ補正 pic.twitter.com/MjdOrqVHuq
— やずX@Xiaomiの全てを求めるブロガー (@F10Dfjtu) April 10, 2022
この点は電子式手振れ補正しかない端末よりも明らかに優秀で、歩いたり駆け足で撮影しても滑らかな動画が撮影できました。
Redmi K50 Pro カメラ総評:期待外れ
Redmi K50 Proのカメラ性能の総評については以下の通りです。
✅色合いが自然で、万人受けする
✅素早く撮影できるのは快適
✅OISがあるのでぶれにくい
✅ズーム性能はよくない。超広角は昼なら使える
✅夜景性能は全くダメ。話にならない
✅マクロカメラは飾り。108MPで撮った方が良い
実際に使用してみて、かなり期待外れでした。はっきり言って作りこみが甘く、完成度が低いと言わざるを得ません。
特にOISを搭載しているにもかかわらず、OIS非搭載で同じセンサーのXiaomi 11T Proに夜景で劣るのは言い訳ができないレベルだと思います。
また、ズーム性能やマクロ撮影も微妙の一言でここも残念。せめて2倍ズームくらいはパッと見で劣化を感じさせないようにしてもらいたいと思います。
一方、自然な色合いや素早く撮影できること、108MPモードでの解像感の高さはGood。また、OISがあるので多少適当に撮っても手振れしません。ポテンシャルはあるので、今後の改善に期待したいところです。
Redmi K50 Proはデュアルスピーカー搭載
Redmi K50 ProはDolby Atmos対応のデュアルスピーカーを搭載。迫力のサウンドで音楽や動画が楽しめます。
実際音質は良好。日本でも販売されているXiaomi 11T Proと同程度の音質のように思いました。流石にクアッドスピーカー搭載のRedmi K50 Gaming Edition(POCO F4 GT)ほどの音の深みと迫力はありませんが、十分優秀です。
なお、3.5mmイヤホンジャックは非搭載です。
Redmi K50 Proは最大120Wの急速充電対応
Redmi K50 Proのバッテリーは5,000mAhと大容量で、120W有線急速充電にも対応。さらに充電用チップ「Surge P1」によって、発熱を適切に制御しつつ高速の充電を可能としています。
勿論、専用の120W急速充電器が付属します。
120W急速充電の充電速度を検証
Redmi K50 Proは120Wの有線急速充電が可能です。そこで、バッテリー残量が0%の状態から充電時間を計測してみました。
結果は以下の通りです。
充電時間 | バッテリー |
5分 | 37% |
10分 | 63% |
15分 | 82% |
20分 | 97% |
21分 | 100% |
結果、満充電にかかる時間は約21分で、たったの10分で60%を超える充電が可能。シャオミは高出力の充電の普及に熱心ですが、この速さに慣れてしまうともうやめられません。
また、充電終了時のバッテリー温度は36°と人肌程度。熱管理も優秀です。
バッテリー持ちを検証
Redmi K50 Proは、容量の大きい5,000mAhバッテリーを搭載しています。
バッテリーを100%にし、輝度約60%、音量100%の状態で、Amazon Prime Videoを標準画質で二時間再生させ、バッテリー持ちの検証を行いました。他の端末との比較表は以下の通りです。
1時間後 | 2時間後 | |
Redmi K50 Pro | 96% | 84% |
Xiaomi 12 | 93% | 85% |
Xiaomi 12 Pro | 91% | 81% |
Redmi Note 11 | 94% | 87% |
iPhone SE | 91% | 78% |
結果はRedmi K50 Proのバッテリー持ちは普通に良いと思います。
当然「原神」のような後負荷のゲームを長時間プレイしているとモリモリ減っていくものの、日常使用や軽くSNSを触る程度なら1日しっかり持つことでしょう。
Redmi K50 Proは側面指紋/顔認証に対応
Redmi K50 Proは側面指紋認証、顔認証の両方に対応しています。
Redmi K50 Pro 指紋認証&顔認証 pic.twitter.com/n6r2mQaPDz
— やずX@Xiaomiの全てを求めるブロガー (@F10Dfjtu) April 10, 2022
側面の電源ボタンが指紋センサーを兼ねており、押し込まずとも触れただけでロック解除されます。速度も速いのでストレスなく使えます。
Redmi K50 Proのスペック
Redmi K50 Proのスペックは以下をご確認ください。
Redmi K50 Pro | |
OS | MIUI 13 |
SoC | Dimensity 9000 |
冷却 | VC 3,950mm² |
メモリ | 8 / 12 GB, LPDDR5 |
容量 | 128 / 256 / 526 GB, UFS 3.1 IO Turbo |
画面 | 6.67インチ, 2K (3,200 x 1,440) フレキシブルOLED リフレッシュレート 120Hz タッチサンプリングレート 480Hz ピーク輝度 1,200nits 1万6,000段階の輝度調整 8bit, DCI-P3, HDR 10+ Dolby Vision, DC調光 DisplayMate A+ Gorilla Glass Victus |
カメラ (背面) |
メイン:1億800万画素+OIS 超広角:800万画素 マクロ:200万画素 |
カメラ (正面) |
2,000万画素 (IMX 596) |
電池 | 5,000mAh, 120W急速充電 Surge P1チップ |
音響 | デュアルスピーカー Dolby Atmos, Hi-Res |
4G | FDD-LTE:B1/B2/B3/B4/B5/B7/B8/B18/B19/B26 TDD-LTE:B34/B38/B39/B40/B41/B42 |
5G | n1/n3/n5/n8/n28a/n38/n40/n41/n77/n78 |
防塵防水 | IP53 |
その他 | Wi-Fi 6, Bluetooth 5.3, NFC3.0, IRブラスター、X軸振動モーター |
寸法 | 163.1 x 76.15 x 8.48mm, 201g |
本体色 | 墨羽、银迹、幽芒、幻镜 |
価格 (日本円換算) |
8+128GB: 2,999元(約5.6万円) 12+128GB: 3,299元(約6.2万円) 12+256GB: 3,599元(約6.7万円) 12+512GB: 3,999元(約7.5万円) |
ソース:Xiaomi
技適未取得機器を用いた実験等の特例制度について
この記事で紹介している「Redmi K50 Pro」は日本国内で発売されていない技適未取得機器に該当します。筆者は技適未取得機器を用いた実験等の特例制度に基づき、総務省に申請を行ったうえで使用・検証を行っています。
Redmi K50 Pro レビューまとめ:カメラ以外は◎
Redmi K50 Proのレビューをお届けしました。実際に使ってみて感じた主な特徴は以下の通りです。
ポイント
✅強力なSoC性能でAnTuTu100万点!冷却性能も優秀
✅明るく高解像度の有機ELディスプレイ
✅期待外れのカメラ。夜景はHM2センサー搭載機で最弱レベル
✅120W爆速充電が快適!バッテリー持ちも良い
✅「墨羽」は隕石風パネルが派手で〇
カメラは酷評しましたが、総合的な評価としては良いスマホだと思います。
6万円前後の価格ながらAnTuTu100万点を叩き出し、ゲーミングスマホ並の冷却性能で重いゲームも快適に動作する点は文句の付け所がありません。
また、2K画質かつ120Hzで滑らかに動くディスプレイや、20分程度で満充電できる120W急速充電も素晴らしい性能です。
それだけにカメラの完成度の低さは尚更残念。OISが付き画像処理速度が上がったことは評価しますが、Xiaomi 11T ProやRedmi K40シリーズにも劣る部分が散見され、上位互換になり得ないのはちょっとショックでした。
シャオミのスマホは発売当初は完成度が低く、今後のアップデートで改善されることはよくある事なので、今後に期待したいと思います。
現時点ではカメラを気にしないことが前提ですが、ゲーム性能を重視したい方、120W充電を体験したい方、「墨羽」カラーがとにかく気になる方等にはオススメです。
おすすめはやはり「墨羽」
なお、Redmi K50 ProはAliExpressで購入することができます。ただし、これのグローバル版として「POCO F4 Pro(仮称)」が発売されるという噂があるので、そちらを待ってもいいかもしれません。