
今回はXiaomiのフラッグシップキラーRedmi K40/POCO F3をレビューしていきたいと思います!
Redmi K40は2021年2月に中国で発表されたスマートフォン。POCO F3はそのグローバルモデルで、その他インドモデルのMi 11Xがあります。
この記事では、「なぜ5か月も前に発表された端末を今更レビューするのか?」という疑問にも答えつつ、端末のレビューをお届けします。
技適未取得機器を用いた実験等の特例制度について
この記事で紹介している「Redmi K40/POCO F3」は日本国内で発売されていない技適未取得機器に該当します。筆者は技適未取得機器を用いた実験等の特例制度に基づき総務省に申請を行ったうえで使用・検証を行っています。

ジャンプできる目次
- 1 Redmi K40/POCO F3が「今も買い」なワケ
- 2 Redmi K40シリーズとPOCO F3等リネームモデルについて
- 3 Redmi K40本体と付属品をチェック
- 4 Redmi K40/POCO F3はSnapdragon 870搭載
- 5 Redmi K40/POCO F3はA+評価のE4 AMOLEDディスプレイ搭載
- 6 Redmi K40/POCO F3は48MPトリプルカメラ搭載
- 7 Redmi K40/POCO F3は高音質デュアルスピーカー搭載
- 8 Redmi K40/POCO F3は33W急速充電対応
- 9 Redmi K40/POCO F3は側面指紋認証と顔認証に対応
- 10 Redmi K40は幅広いバンドに対応
- 11 Redmi K40/POCO F3スペック表
- 12 Redmi K40/POCO F3レビューまとめ:2021年最強のコスパスマホ
Redmi K40/POCO F3が「今も買い」なワケ
ポイント
✅圧倒的なコスパ(3万円台)
✅Snapdragon870搭載機としては最安
✅サムスン製高性能E4 AMOLED採用
✅高音質デュアルスピーカー搭載
Redmi K40/POCO F3は高い性能と比較的安い価格を両立した「フラッグシップキラー」と呼ばれるスマートフォンです。
Redmi K40/POCO F3は、その中でも圧倒的なコスパを実現しており、ハイエンド5Gチップセット「Snapdragon 870」、最新型有機ELディスプレイ、高音質デュアルスピーカーを備え、価格はいずれも3万円台。
このコスパに迫る端末は他になく、発売から約5か月たった今でもコスパ最強の座から陥落していません。日本で人気のMi 11 Lite 5Gですが、中国ではRedmi K40の方が安くスペックも高いため圧倒的に人気があります。

Redmi K40シリーズとPOCO F3等リネームモデルについて

POCO F3
端末名 | SoC | メインカメラ |
Redmi K40 | Snapdragon 870 | 4800万画素 (IMX 582) |
Redmi K40 Pro | Snapdragon 888 | 6400万画素 (IMX 686) |
Redmi K40 Pro+ | Snapdragon 888 | 1億800万画素 (ISOCELL HM2) |
中国で展開されているRedmi K40シリーズは3種類。主な違いはSoCとメインカメラのセンサーです。
SoCについては、K40のみがSnapdragon 870を搭載しており、ProとPro+はSnapdragon 888を搭載しています。
メインカメラのセンサーについては、K40が4800万画素のSony IMX 582、Proが6400万画素のSony IMX 686、Pro+が1億800万画素のSamsung ISOCELL HM2をそれぞれ搭載しています。

Remi K40 Pro+ ダマスカスブラック
また、Redmi K40シリーズは4種類のカラーバリエーションで、特徴的なダマスカスブラックと呼ばれるカラーがあります。
中国 | グローバル | インド |
Redmi K40 | POCO F3 | Mi 11X |
Redmi K40 Pro | ||
Redmi K40 Pro+ | Mi 11i | Mi 11X Pro |
初めに中国で発売されたRedmi K40シリーズは、リネームされて世界各国で展開しています。名前やカラー、対応バンドが異なりますが、スペックはほぼ同じです。日本で比較的手に入りやすいのが、グローバルモデルのPOCO F3およびMi 11iで、AliExpressやBanggood等で購入が可能です。
また、インドではMi 11X、Mi 11X Proが展開されていますが、こちらは日本でお目にかかることはほとんどないでしょう。また、6400万画素のメインカメラを備えたRedmi K40 Proに相当するモデルは、グローバル/インド市場にはありません。

Redmi K40本体と付属品をチェック
Redmi K40本体をチェック
Redmi K40は、厚みが7.8mmと薄型の端末。うっすらツヤのあるバックパネルは洗練された印象を受け、高級感があります。指紋も目立ちません。重量も196gと軽くはありませんが、決して重い訳でもありません。
カメラユニットは二段の出っ張りがあります。極端に出っ張っている訳ではありませんが、ケースで保護するのが良いと思います。
サイドフレームは樹脂製ですが光沢があり、安っぽくありません。横幅76.4mmと大きめのサイズなのですが、側面がラウンド形状になっていることもあり、意外と持ちやすい端末です。
端末正面から見て右側面には音量操作ボタンと、電源ボタンがあります。電源ボタンは指紋センサーを兼ねています。
端末正面から見て左側面にはボタンや穴等は全くありません。
天面にはスピーカー穴があります。
底面にはスピーカー穴、充電ポート、マイク穴、SIMカードスロットがあります。
背面パネルの下部には「Redmi」の小さなロゴがありました。
Redmi K40パッケージと付属品をチェック
Redmi K40は白いパッケージで、巨大な金色の文字で「K40」と書かれています。
パッケージ内容
✅本体
✅TPUクリアケース
✅フィルム(貼付済)
✅充電器&ケーブル
✅SIMピン
✅説明書
パッケージ内容は以上の通り。ケース、フィルム、充電器がセットになっており、そのまま使い始めることができます。
付属ケースはカメラの出っ張りをしっかり保護してくれます。
Redmi K40/POCO F3はSnapdragon 870搭載
Redmi K40/POCO F3は、SoCに「Qualcomm Snapdragon 870」を搭載しています。
Snapdragon 870は、5G対応のハイエンドチップセットで、優れた安定性と高い処理性能が特徴。これよりも高い処理性能を持つSnapdragon 888がありますが、発熱が酷く実はゲームに向いていません。実使用ではSnapdragon 870の方が優秀なSoCです。
また、メモリ/ストレージ規格は、それぞれLPDDR5、UFS3.1 に対応。フラッグシップモデルと同様の高速の読み書きが可能で、スムーズな動作を可能にしています。
AnTuTuベンチマーク(Ver.9)でRedmi K40の性能を計測したところ約65万点でした。私の端末はインドROM(Mi 11X)を焼いているのですが、K40純正ROMであれば70万点ほど出ると思います。
中国市場では特に数字が強調される傾向があり、各メーカーはこういったベンチマークアプリに最適化を行い、スコアを高めています。そのため、同じ端末でも中国版は高いスコアが出るようになっているのですが、いくらベンチマークの点数を挙げても実使用上の違いはありません。気にしなくて大丈夫です。
Redmi K40/POCO F3はA+評価のE4 AMOLEDディスプレイ搭載
Redmi K40/POCO F3は、ディスプレイに6.67インチのE4 AMOLEDを採用。これはSamsung製の新型有機ELで、世界的なディスプレイ評価機関「DisplayMate」によってA+の評価を得ています。
発色が鮮やかなだけでなく、通常輝度は900nits、ピーク輝度は1300nitsにも達し、直射日光下でも見やすいディスプレイとなっています。
更にリフレッシュレート120Hz、タッチサンプリングレート360Hzに対応しており、優れた動作を実現。フラッグシップ級のディスプレイと言ってよいでしょう。
また、ディスプレイは曲面のないストレートスクリーンです。上部中央にはパンチホールがあり、インカメラが収められています。Xiaomiによれば、パンチホールサイズは世界最小で、あまり目立ちません。
Redmi K40/POCO F3は48MPトリプルカメラ搭載
Redmi K40/POCO F3は、トリプルカメラを搭載しています。構成は、4800万画素のメインカメラ、800万画素の超広角カメラ、500万画素のテレマクロカメラとなっています。詳細は以下の通り。
・メイン(広角):4800万画素 (Sony IMX582, 1/2, f /1.79)
・超広角:800万画素 (119°, AI歪み補正)
・テレマクロ:500万画素 (2倍ズーム可能)
また、動画については4K、1080p、720pでの撮影が可能。対応フレームレートは以下の通りです。
画質 | フレームレート |
4K | 30FPS |
1080p | 30/60FPS |
720p | 30FPS |
3つのカメラを使って実際に撮影してみました。以下、作例になります。
※筆者の端末はインドROM(Mi 11X)を焼いているので、写真左下のウォーターマークがK40ではありません。しかも、Mi 11XのROMを焼くとPOCO F3のウォーターマークになります。謎です。
ギャラリー
AI補正で色濃く鮮やかな写真が撮影可能
Redmi K40/POCO F3は、AI補正でより色濃く鮮やかな写真を撮ることができます。


上記のスライダー付き画像は、左がAI補正なし、右がAI補正ありとなっています。AI補正で若干色が濃くなり、より「映える」写真にすることができます。
2倍ズーム&超広角はごくごく普通の性能
Redmi K40/POCO F3は望遠カメラはありませんが、デジタルズーム撮影が可能。また超広角カメラを搭載しているので、より広い画角での撮影も可能です。

1倍

2倍
1倍と2倍ズームでそれぞれ撮影してみました。2倍ズームでも解像感が残っており、実用的なズーム性能です。

5倍
こちらは5倍ズームでの撮影です。流石に粗さが分かり、写真としてはちょっと良くないですが、記録用にはなるかと思います。

10倍
更に10倍ズームで撮影。ここまで拡大するとかなり粗くなります。

メインカメラ(広角)

超広角
メインカメラ(広角)と超広角カメラで同じ場所から撮影しました。超広角カメラの方が広い画角で撮影できます。ただし、メインカメラの方が良いセンサーになっているので、超広角カメラはHDR性能や解像感等で劣ります。この写真で言えば、超広角カメラの方は左上の空が強い太陽光によって白飛びしています。
テレマクロカメラは肉眼では見えない世界を写し出す

マクロ1倍
Redmi K40/POCO F3は、2倍までズーム可能なテレマクロカメラを搭載しています。こちらは1倍で撮影した多肉植物で、かなり細かい描写ができていることが分かります。

マクロ2倍
こちらは2倍ズームで撮影しました。肉眼では見ることのできないマクロの世界を写真に収めることができます。
夜景モードで暗めの場所も明るく補正


Redmi K40/POCO F3は夜景モードを備えており、上記のスライダー付き画像は、左がオート撮影、右が夜景モードとなっています。夜景モードの方がノイズや白飛びを抑えつつ、全体的に明るくなっていることが分かります。

Redmi K40/POCO F3は高音質デュアルスピーカー搭載
Redmi K40/POCO F3はデュアルスピーカーを搭載。天面と底面にそれぞれスピーカー穴があります。
格安スマートフォンの多くはシングルスピーカーですが、Xiaomiはこの辺をケチりません。しかもハイレゾ認証を受けており、Dolby Atmosにも対応。最大音量も大きく音質も非常にクリアで、奥行きのあるサウンドを楽しめます。
Mi11 Ultra
K40
Mi11 Lite 5Gで音質比較。
なんどもいうが、Mi11 Lite 5Gのスピーカー音質は良くない。
K40は値段の割に良すぎ。 pic.twitter.com/pqQR2T7H8z— しばもん@半ニート (@monsivamon) July 20, 2021
※左からMi 11 Ultra(10万円超えの購入端末)、Redmi K40、Mi 11 lite 5G(許可を得て掲載しています)
ただし、3.5mmイヤホンジャックは非搭載なので、Type-C変換アダプタかワイヤレスイヤホンを使いましょう。
Redmi K40/POCO F3は33W急速充電対応
33W急速充電の充電速度を検証
Redmi K40/POCO F3は33Wの急速充電を搭載しています。33Wあれば、十分に「急速」と言っていい性能の充電として機能します。
そこで、急速充電器を用いてバッテリー残量が0%の状態からの充電時間を実際に計測してみました。詳細は以下。
充電時間 | バッテリー |
30分 | 66% |
40分 | 85% |
50分 | 97% |
57分 | 100% |
満充電にかかる時間は約1時間でした。たったの30分で66%まで充電され、57分で満充電されます。十分に「急速」と感じることのできる充電速度です。
バッテリー持ちを検証
Redmi K40/POCO F3のバッテリー容量は4,520mAhと、比較的容量の大きいバッテリーです。
バッテリーを100%にし、Amazon Prime Videoを標準画質で二時間再生させ、バッテリー持ちの検証を行いました。価格の近い端末との比較表は以下。
Redmi K40 | Mi 11 Lite 5G | OPPO Reno5 A | iPhone SE | |
1時間後 | 93% | 92% | 92% | 91% |
2時間後 | 83% | 83% | 82% | 78% |
結果はRedmi K40/POCO F3のバッテリー持ちはいたって普通です。良くも悪くもなく、ハードな使い方をしなければ1日は十分に持つと思われます。

Redmi K40/POCO F3は側面指紋認証と顔認証に対応
Redmi K40/POCO F3は側面指紋認証と顔認証の両方に対応しています。側面指紋認証は電源ボタンを兼ねており、押さずとも触れるだけでロックが解除されます。認証速度は、顔も指紋も非常に速くスムーズです。
Redmi K40は幅広いバンドに対応
対応バンド
Redmi K40
5G: n1, n3, n28A, n41, n77, n78
4G FDD-LTE: B1, B2, B3, B4, B5, B7, B8, B18, B19, B26, B28A
4G TDD-LTE: B34, B38, B39, B40, B41, B42
POCO F3
5G: n1, n3, n5, n7, n8, n20, n28, n38, n41, n77, n78
4G FDD-LTE: 1, 2, 3, 4, 5, 7, 8, 12, 17, 20, 28, 66
4G TDD-LTE: 38, 40, 41
Redmi K40シリーズが、POCO F3等のリネームモデルと大きく異なる点が対応周波数です。各リネームモデルは、日本で言えばソフトバンク系4Gバンドにしか対応していません。
一方、Redmi K40シリーズはプラチナバンド含めて、ドコモ、au、ソフトバンク、楽天等の各キャリアの4Gバンドに対応しています。
Redmi K40/POCO F3スペック表
Redmi K40のスペック表は以下を参照してください。
Redmi K40/POCO F3 | |
OS | MIUI12, Android 11 (アップデートでMIUI12.5に) |
SoC(CPU) | Snapdragon 870 |
メモリ/ストレージ | メモリ:6 / 8 / 12GB ストレージ:128 / 256GB LPDDR5 UFS3.1 |
ディスプレイ | 6.67インチ、E4 AMOLED リフレッシュレート:120Hz ピーク輝度:1300nits |
カメラ | トリプルカメラ構成 メイン:4800万画素 超広角:800万画素 テレマクロ:500万画素 |
バッテリー | 4,520mAh 33W急速充電 |
オーディオ | デュアルスピーカー Dolby Atmos |
生体認証 | 側面指紋認証, 顔認証 |
防塵防水 | IP53 |
SIMスロット | デュアルSIM |
対応バンド (Redmi K40) | 5G: n1, n3, n28A, n41, n77, n78 4G FDD-LTE: B1, B2, B3, B4, B5, B7, B8, B18, B19, B26, B28A 4G TDD-LTE: B34, B38, B39, B40, B41, B42 |
対応バンド (POCO F3) | 5G: n1, n3, n5, n7, n8, n20, n28, n38, n41, n77, n78 4G FDD-LTE: 1, 2, 3, 4, 5, 7, 8, 12, 17, 20, 28, 66 4G TDD-LTE: 38, 40, 41 |
サイズ | 約163.7 x 76.4 x 7.8 mm |
重量 | 196g |
カラー (Redmi K40) | ホワイト、グロー、ブラック、 ダマスカスブラック |
カラー (POCO F3) | ブルー、ホワイト、ブラック |
価格 (Redmi K40) | 1,999元(約3万4,000円) |
価格 (POCO F3) | 約3万8,000円~ (AliExpress) |
Redmi K40/POCO F3レビューまとめ:2021年最強のコスパスマホ
✅Mi 11 Lite 5Gよりも安い
✅Snapdragon870搭載でハイスペック
✅サムスン製高性能E4 AMOLED採用
✅高音質デュアルスピーカー搭載
✅とりあえず普通には撮れるカメラ
Redmi K40/POCO F3レビューをお届けしました。Redmi K40/POCO F3の主な特徴は以上の通りですが、これだけの高品質ハードウェアを備えて3万円台で購入できる端末は現状(2021年7月)ありません。
日本でもコスパの高さで話題のMi 11 Lite 5Gよりも高い性能(FeliCaは勿論ありませんが)で、しかも安いという紛れもないコスパ最強機です。
