話題のハイコスパスマホ「POCO F5 Pro」を発売前にご提供いただいたので、レビューしていきます。
AnTuTuベンチマークで100万点以上の性能を持つSnapdragon 8+ Gen 1や、大型VC冷却、WQHD+解像度の有機ELディスプレイを備えているモデルです。
なお、当ブログではカメラのレビューに力を入れているので是非ご覧ください(▷カメラレビューへジャンプ)
ジャンプできる目次
POCO F5 Proの特徴
POCO F5 Proの主な特徴は以下の通りです。
ポイント
✅AnTuTu100万点超!「Snapragon 8+ Gen 1」搭載
✅WQHD+解像度の有機ELディスプレイ
✅5,000mm²大型VC冷却で高性能が長時間持続
✅OISを備えた6400万画素カメラ搭載
✅5,120mAhバッテリー / 67W有線・30W無線充電
✅Dolby Atomos対応デュアルスピーカー搭載
上記の通り、ほぼフラッグシップのような高いスペックを持った超コスパモデルで、プレセール価格は何と391ドル(約5.3万円)から。同じSoCを搭載する「Xiaomi 12T Pro(日本版)」の半額以下と考えれば、群を抜いたお得感と言えるでしょう。
技適未取得機器を用いた実験等の特例制度について
この記事で紹介している「POCO F5 Pro」は日本国内で発売されていない技適未取得機器に該当します。筆者は技適未取得機器を用いた実験等の特例制度に基づき、総務省に申請を行ったうえで使用・検証を行っています。
POCO F5 Pro 本体と付属品をチェック
本体をチェック
POCO F5 Proは厚さ8.59mm、重量204gのやや大型の端末。「POCO」ブランドのロゴと、CEなどの認証マークがあります。
今回レビューするのはブラックで、左右のカーボン調のテクスチャが印象的。他には、特に柄のないホワイトがあります。
カメラモジュールは左右に傾斜が設けられた独特のデザイン。トリプルカメラとLEDライト等が配置されています。
バックパネルは緩やかにラウンドした形状。決して薄いと言える筐体ではありませんが、この形状のおかげで思いのほか持ちやすくなっています。
ディスプレイは、6.67インチの大型フラットスクリーン。解像度がWQHD+(2K相当)と非常に高いAMOLEDを採用しています。
端末正面から見て右側面には、ボリュームキーと電源ボタンがあります。
端末正面から見て左側面にはボタンや穴等は全くありません。
天面には、左からスピーカー穴、IRブラスター(赤外線リモコン)、マイク穴があります。
底面には、スピーカー穴、Type-C 充電ポート、マイク穴、SIMカードスロットがあります。
パッケージと付属品をチェック
POCO F5 Proのパッケージは、黒地にイエローの大きな印字が印象的。パッケージ内容は以下の通りです。
パッケージ内容
✅本体
✅TPUクリアケース
✅フィルム(貼付済)
✅67W充電器 & ケーブル
✅SIMピン
✅説明書等
ケース、フィルム、充電器がセットになっており、そのまま使い始めることができます。
ケースは特に何の変哲もないTPU製ですが、カメラモジュールの傾斜部分を保護する形状になっています。
POCO F5 Proの処理性能・ゲーム・発熱をチェック
POCO F5 Proは、SoCに高性能な「Snapdragon 8+ Gen 1」を搭載しています。
AnTuTuベンチマーク(Ver.9)にて、POCO F5 Proの処理性能を3回連続で計測してみました。バッテリー設定から「パフォーマンスモード」にした状態で、いずれも約106~108万点と高いスコアを記録できました。
また、この状態で最も処理性能を要求すると言われているゲーム「原神」を最高設定で1時間プレイしてみたところ、安定して50fps以上のフレームレートで動作しました。
5,000mm²もの大型VC(べイパーチャンバー)冷却を搭載しているためか、発熱も緩やかな印象で長く高いパフォーマンスを維持できます。
POCO F5 Proのディスプレイをチェック
POCO F5 Proは、ディスプレイに6.67インチのAMOLED(有機EL)フラットスクリーンを採用。解像度は最大WQHD+(2K相当)と非常に高く、鮮やかできれいな画面です。
また、5,000,000:1と高いコントラスト比や、最大120Hzのリフレッシュレート、最大480Hzのタッチサンプリングレート、12bit(680億色)の色表現などに対応し、隙のないスペックです。
ディスプレイの中央上部にはパンチホールがありますが、かなり小さく目立ちません。
ピーク輝度は1,400nitsと申し分のない高さで、直射日光下で見ても綺麗で明るい表示を保っています。
さらに、暗所でのチラつきを効果的に抑える1920HzのPWM調光に対応。調光性能の低い端末を暗所で撮影すると複数の横線が入るのですが、ご覧の通りPOCO F5 Proはそうした現象は見られませんでした。
POCO F5 Proのカメラをチェック
POCO F5 Proは、背面にトリプルカメラを搭載しています。構成は以下の通りです。
・メイン(広角):6400万画素(OV64B, 1/2インチ)+OIS
・超広角:800万画素(120°)
・マクロ:200万画素
決してカメラ性能を重視したモデルではないものの、メインカメラにはOIS(光学式手振れ補正)をケチらずに搭載しています。
動画については8K、4K、1080p、720pでの撮影が可能。各画質ごとの対応フレームレートは以下の通りです。
画質 | フレームレート |
8K | 24FPS |
4K | 30/60FPS |
1080p | 30/60FPS |
720p | 30FPS |
3つのカメラを使って実際に撮影してみました。以下、作例になります。
ギャラリー
良好な画質のメインカメラ。ブレが少なく撮影速度も速い
POCO F5 Proは、メインカメラにOISを備えた6400万画素のメインカメラを搭載しています。
AI補正OFF時の発色は濃くも薄くもなく丁度良い感じで、万人受けすると思います。また、高性能のSoCによる画像処理性能とOISが相まって、素早くブレない撮影が可能な撮りやすいカメラです。


←補正なし:補正あり→
(表示されていない場合、ページを再読み込みしてください)
上記のスライダー付き画像は、左がAI補正なし、右がAI補正ありとなっています。AI補正を入れると全体的に明るくなるだけでなく、色も濃いめに補正されます。


←補正なし:補正あり→
(表示されていない場合、ページを再読み込みしてください)
一方、AI補正はハイライトも強くなる傾向があり、白飛びを気にする方は注意した方が良いでしょう。
POCO F5 ProはOISを搭載していることに加え、優秀なモーション・トラッキングフォーカス機能を持ちます。
これにより、動く被写体を自動的に認識してピントを合わせ続けることが可能です。
OISの効果でブレも最小限。動物や子どもを撮影するには最適でしょう。
良好なHDR性能
POCO F5 Proは優れたISP(画像処理)性能を持つので、優れたHDR性能を発揮します。
- HDR OFF
- HDR ON
効果的なHDRで、写真の白飛びや黒潰れを低減できます。
夜景モード
また、明るい環境であっても夜景モードを使えば、HDRはさらに強力になります。
優れたズーム性能。超広角も思ったより使える
POCO F5 Proは望遠カメラはありませんが、Snapdragon 8+ Gen 1の高性能なISP(イメージング・プロセッサ)により、良好なズーム性能を発揮します。最大倍率は10倍で、超広角カメラもあるため、様々な画角で写真を撮ることができます。
1倍
2倍
1倍と2倍でそれぞれ撮影してみました。2倍ズームにしても解像感は十分良好で、実用的な性能です。
3倍
4倍
5倍
続いて3倍、4倍、5倍でそれぞれ撮影してみました。ここまで拡大していくと徐々に解像感が低下していきますが、大きく破綻した画質ではなく、カメラ重視ではないモデルとしては優秀な部類でしょう。
さらに10倍でも撮影しましたが、流石にここまで拡大するとぼやっとした感じになります。
また、超広角カメラは800万画素とスペックはパッとしませんが、スマホで見る分には十分な写り。四辺の不自然な流れも少ないので、使いやすいと思います。
実用的で優れた夜景モード
POCO F5 Proは、OISや高度な画像処理性能を持つため、夜景でも高い実力を発揮できます。


←オート:夜景モード→
(表示されていない場合、ページを再読み込みしてください)


←オート:夜景モード→
(表示されていない場合、ページを再読み込みしてください)
メインカメラのオートと夜景モードでそれぞれ撮影してみましたが、後者はかなり明るくなると共に、ノイズも少ない写真が撮影できました。白飛びもかなり抑えられています。


←オート:夜景モード→
(表示されていない場合、ページを再読み込みしてください)
また、超広角カメラでもオートと夜景モードでそれぞれ撮影してみましたが、こちらはさらに夜景モードの効果を実感できます。メインカメラに比べて小さなセンサーのため、高度な画像処理技術がより大きく貢献しているようです。
マクロカメラは案の定おまけレベル
POCO F5 Proは専用のマクロカメラを搭載しています。
マクロカメラ
ただし、200万画素と「おまけ」レベルのカメラなので解像感は微妙。写りも暗いです。
メインカメラ(64MPモード)
正直メインカメラの64MP(6400万画素)モードの2倍ズームで撮ったほうが良好な写り。そのため、こうした微細な被写体を撮影するうえでもメインカメラを使用した方が良いでしょう。
OISがあるので手振れ補正は優秀
POCO F5 Proは、写真だけでなく動画でも効果的に手振れを低減するOIS(光学式手振れ補正)を搭載しています。
※GIF画像のため、解像度・フレームレートは実際よりも低下しています。
動画の安定感は、電子式の手振れ補正しかない端末よりも明らかに滑らか。歩いたり駆け足で撮影しても、ブレの少ない自然な動画になります。
多彩なフィルター&フレームが楽しい
POCO F5 Proは独自のフィルムカメラ風フィルターや、アートフレームに対応しています。
ギャラリーアプリで、撮影した写真を後から自由に編集可能。こうしたフィルターやフレームを使うことで、より印象的な写真に仕上げられます。
POCO F5 Pro カメラ総評
POCO F5 Proのカメラ性能の総評は、非カメラ重視モデルとしては優秀です。
✅高度な画像処理とOIS搭載で撮りやすいカメラ
✅効果的なHDR。動体撮影も得意
✅まあまあなズーム性能。高望みしなければ十分
✅日中なら超広角も意外と撮れる
✅優秀な夜景モード。明るく低ノイズに補正
✅マクロカメラは蛇足。64MPモードの方が綺麗
実際に使用してみて、カメラ性能を高望みしなければ十分な性能と思いました。
決して強力なハードウェア性能とは言えないものの、Snapdragon 8+ Gen 1の画像処理性能が優秀なためか、日中も夜景も良好な画質で撮影できます。特に白飛びを強力に抑制できる夜景モードは優秀で、ある程度の光量があるシーンであれば特に問題は感じ無いでしょう。
POCO F5 Proの音響をチェック
POCO F5 ProはDolby Atmos対応のデュアルスピーカーを搭載しています。
天面
底面
音質については、どちらかと言えば高音域重視で低音域は若干控えめな印象。しかし、音の広がりはよく最大音量も大きいです。
なお、3.5mmイヤホンジャックは非搭載なので、有線イヤホンを使う場合はType-Cの変換アダプタが必要です。
POCO F5 Proの電池・充電をチェック
POCO F5 Proのバッテリーは5,160mAhと大容量。また、67W有線急速充電と30Wワイヤレス急速充電に対応しています。
もちろん専用の67W急速充電器が付属しますが、グローバル版なのでプラグはEU仕様。変換アダプタが別途必要です。
67W有線急速充電の充電速度を検証
POCO F5 Proは67Wの有線急速充電が可能です。そこで、バッテリー残量が1%の状態から充電時間を計測してみました。
結果は以下の通りです。
充電時間 | バッテリー |
15分 | 50% |
30分 | 84% |
45分 | 97% |
50分 | 100% |
結果、満充電にかかる時間は約50分でした。たったの15分で50%も充電が可能で、120Wのような超高出力には劣るものの十分高速です。なお、充電時の発熱もあまり目立ちません。
30W無線急速充電の充電速度を検証
POCO F5 Proは30Wのワイヤレス急速充電が可能です。そこで、バッテリー残量が1%の状態から充電時間を計測してみました。
結果は以下の通りです。
充電時間 | バッテリー |
15分 | 28% |
30分 | 49% |
45分 | 75% |
1時間 | 95% |
1時間13分 | 100% |
結果、満充電にかかる時間は約1時間13分でした。流石に有線充電には劣るものの、ワイヤレスでもこの速度で充電できるのはありがたい限りです。
バッテリー持ちを検証
POCO F5 Proは、容量の大きい5,160mAhバッテリーを搭載しています。
バッテリーを100%にし、輝度約60%、音量100%の状態で、Amazon Prime Videoを標準画質で二時間再生させ、バッテリー持ちの検証を行いました。他の端末との比較表は以下の通りです。
1時間後 | 2時間後 | |
POCO F5 Pro | 95% | 88% |
Redmi Note 12 Pro 5G | 95% | 86% |
Xiaomi 12T Pro | 97% | 90% |
Google Pixel 7 Pro | 95% | 87% |
Zenfone 9 | 95% | 89% |
Xperia 5 IV | 91% | 81% |
POCO F5 Proのバッテリー持ちはかなり良い部類で、様々な他の機種と比べても見劣りしません。実際に1日普通に使ってもバッテリー容量は30~40%程度は残っており、カメラやゲームの長時間使用などハードな使い方をしなければ十分でしょう。
POCO F5 Proの認証速度をチェック
POCO F5 Proは、顔認証と画面内指紋認証の両方に対応しています。
顔 / 指紋ともに認証速度は爆速なのでストレスを感じません。
POCO F5 Proのスペック
POCO F5 Proのスペックは以下をご確認ください。
POCO F5 Pro | |
OS | MIUI 14 |
メモリ | 8 / 12 GB, LPDDR 5 |
容量 | 256 / 512GB, UFS 3.1 |
SoC | Snapdragon 8+ gen 1 |
冷却 | 5,000mm²VC液冷 |
画面 | 6.67インチ, AMOLED, WQHD+ (3,200 x 1,440), リフレッシュレート 120Hz, タッチレート 480Hz, ピーク輝度 1,400nits, 12bit, Dolby Vision, HDR10+, 1920 Hz PWM調光 |
カメラ (背面) |
メイン: 6400万画素+OIS 超広角: 800万画素 マクロ: 200万画素 |
カメラ (正面) |
1600万画素 |
電池 | 5,160mAh, 67W有線急速充電, 30W無線急速充電 |
音響 | デュアルスピーカー, Dolby Atmos, Hi-Res, |
4G | LTE FDD: B1/2/3/4/5/7/8/18/19/20/28/66 LTE TDD: B38/40/41 |
5G | Sub 6: n1/3/5/7/8/20/28/38/40/41/77/78 |
生体認証 | 画面内指紋 / 顔 |
防水防塵 | IP53(防滴) |
その他 | NFC, IRブラスター, Wi-Fi 6, Bluetooth 5.3 |
本体色 | ブラック、ホワイト |
寸法 | 162.78 x 75.44 x 8.59mm, 204g |
初回価格 | 8+256GB: 391ドル 12+256GB: 421ドル 12+512GB: 431ドル |
ソース:POCO
POCO F5 Pro レビューまとめ
POCO F5 Proのレビューをお届けしました。実際に使って感じた主な特徴は以下の通りです。
ポイント
✅AnTuTu100万点超!原神性能も良好
✅高精細で明るい有機ELディスプレイ
✅OIS搭載で使いやすいメインカメラ。夜景〇
✅バッテリー持ち〇
✅有線(67W)だけでなく無線充電(30W)も速い
✅広がりの良いスピーカー音質。ただし低音若干弱め
一言で言えば、価格以上の使用体験を提供するハイコスパスマホです。
もちろん「Xiaomi」ブランドのフラッグシップ機と比べれば、細かいところで見劣りするものの、価格差を考えればコスパは十分優秀です。
特に比較的安価なスマホとしては、「Snapdragon 8+ gen 1」のような高性能SoCや、WQHD+の高解像度ディスプレイを搭載し、ワイヤレス急速充電にも対応している点は特筆に値するでしょう。
同じSoCを搭載する「Xiaomi 12T Pro(日本版)」の半額以下である約5.3万円ならばお買い得感は十分だと思います。
POCO F5シリーズのプレセール情報
プレセールでの「POCO F5」および「POCO F5 Pro」の価格は以下の通り。販売ページのストアクーポンと、コード(MAY30)を使用してこの価格となるようです。
POCO F5 | ドル | 円換算 |
8+256GB | 284ドル | 約3.8万円 |
12+256GB | 314ドル | 約4.2万円 |
POCO F5 Pro | ドル | 円換算 |
8+256GB | 391ドル | 約5.3万円 |
12+256GB | 421ドル | 約5.7万円 |
12+512GB | 431ドル | 約5.8万円 |
また、どちらも先着限定でミステリーボックス(スマートフォン本体やスマートウォッチ等)がプレゼントされるので、早期購入がお得。セールは日本時間2023年5月10日16時~2023年5月14日16時まで行われる予定です。
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