OPPO Find Nは、OPPO初のフォルダブル・スマホです。折り目の目立たない7.1インチディスプレイを搭載し、価格も約14万円からと、20万円超えが当たり前だったフォルダブル・スマホとしては異例の破格で発売され、大きな注目を集めています。
筆者は発売直後にこれを手に入れることが出来たので、気になっている読者の皆様にレビューをお届けします。

ジャンプできる目次
- 1 OPPO Find Nの特徴
- 2 OPPO Find N本体と付属品をチェック
- 3 OPPO Find NはSnapdragon 888搭載
- 4 OPPO Find Nは折り目が目立たないLTPOディスプレイ搭載
- 5 OPPO Find Nは大画面を活かした機能多数
- 6 OPPO Find Nは50MPトリプルカメラ搭載
- 7 OPPO Find Nは底面にデュアルスピーカー搭載
- 8 OPPO Find Nは33W急速充電対応
- 9 OPPO Find Nは側面指紋認証と顔認証に対応
- 10 OPPOスマホは中国版でも日本語に対応
- 11 OPPO Find Nスペック表
- 12 OPPO Find Nレビューまとめ:手帳のようなサイズ感・美しい画面がGood
OPPO Find Nの特徴
OPPO Find Nの主な特徴は以下の通りです。GoodポイントとBadポイントに分けてまとめました。
Good
✅120Hz/7.1型有機ELのフォルダブルスマホ
✅Snapdragon 888搭載
✅5000万画素トリプルカメラ搭載
✅閉じた状態なら幅狭で持ちやすい
✅フォルダブルスマホとしては安い (約14万~)
Bad
✅サブ画面は60Hz駆動
✅充電出力が最大33W
✅スピーカー×2は両方底面
✅防塵防水規格なし
また、現状グローバル版や日本版の予定はなく、中国版のみとなっていることに注意が必要です。ただし、OPPOのスマートフォンは中国版でも日本語に対応しています。
OPPO Find N本体と付属品をチェック
本体をチェック
OPPO Find Nは7.1インチのフレキシブルAMOLEDディスプレイを搭載したフォルダブルスマホです。アスペクト比は8.4 : 9と正四角形に近く、手帳のようなサイズ感になっています。
折りたたみ時の厚みは約15.9mmで、当たり前ながら普通のスマートフォンと比べると2倍程度の厚さがあります。
サイズは小型スマホの「iPhone SE」を2枚重ねた状態に近いです。しかし、OPPO Find Nの横幅は73.0mmと狭いのでケースをつけていても十分持ちやすいサイズ感です。
これまでの横折りのフォルダブルスマホと言えば、もっと大きく縦長だったので、重量にさえ慣れてしまえば手の小さい筆者でも使いやすい端末です。またポケットに入れてもはみ出しません。
カメラの周りは僅かに盛り上がっています。ガラス製のカメラモジュールは、強い光が当たると銀色のように輝きますが、実際はもっと黒い色です。中央のレンズには赤いリングの縁取りがあり、デザインが一々かっこいいです。
背面は星空を思わせるような独特の加工が施されたガラス素材です。触った感触も吸い付くような滑らかさがあり、是非手に取って体感してもらいたい端末です。
非常に精巧に作られているというヒンジ部は剛性も強く、世界的な認証機関「テュフ・ラインランド」で20万回の開閉テストに合格したとのこと。ヒンジのメタリックな質感は高級感があり、画面の折り目もほとんど目立ちません。
それでは、以下開いた状態で細部を見ていきます。
端末正面から見て右側面には電源ボタンがあります。電源ボタンは指紋センサーを兼ねています。
端末正面から見て左側面にはボリュームキーがあります。
カメラ側の天面にはマイク穴があります。
底面には、カメラ側にType-C充電ポートとマイク穴、サブディスプレイ側にSIMカードスロットがあります。また、両方の端にスピーカー穴が配置されています。
パッケージと付属品をチェック
OPPO Find Nのパッケージはシックな印象で高級感があり、蓋を開けると土台が持ち上がるギミック付きです。こういうところでも、ユーザーに満足感を届けるのがOPPOらしいと思います。
箱の大きさに対して、Find N本体は小さめ。充電器や充電ケーブルまでも黒い厚紙で包装されています。
パッケージ内容
✅本体
✅フィルム内・外(貼付済)
✅充電器&ケーブル
✅SIMピン
✅説明書等
パッケージ内容は以上の通り。フィルム、充電器がセットになっており、そのまま使い始めることができますがケースは付属しません。
ただし、初回出荷分だけ限定ケースが付属していました。レザーのような質感と輝くOPPOロゴがクールです。

OPPO Find NはSnapdragon 888搭載
OPPO Find Nは、SoCに「Snapdragon 888」を搭載しています。最新フラッグシップSoCの「Snapdragon 8 Gen 1」でないことは少々残念ですが、1年間のノウハウがあるSnapdragon 888の方が、熱処理や安定性の点ではむしろ安心できます。
AnTuTuベンチマーク(Ver.9)でOPPO Find Nの性能を計測したところ約83万点でした。これだけあれば、ほとんどの動作で不足がないどころか十分過ぎるくらいで、重い3Dゲームも快適に動作します。
また、LPDDR5メモリ規格、UFS3.1ストレージ規格にそれぞれ対応しており、よりスムーズな動作を可能にしています。

OPPO Find Nは折り目が目立たないLTPOディスプレイ搭載
OPPO Find Nは、メインディスプレイに7.1インチのフレキシブルAMOLEDを採用。またLTPO技術により、リフレッシュレートを1~120Hzの間で動的に調整することで、大画面高画質でも優れたバッテリー効率を実現しています。
OPPO Find N、とにかくディスプレイのアニメーションが綺麗☺️
流石E5 AMOLED! pic.twitter.com/kmmNgao8RL— やずX@Xiaomi大好きブロガー (@F10Dfjtu) December 31, 2021
画質はWUSXGA(1792×1920)。アニメーションも非常に滑らかかつ鮮やかで惚れ惚れします。
折り目もほとんど目立ちません。また、通常輝度は800nits、ピーク輝度は1000nitsもあるので、直射日光下でも見やすいディスプレイとなっています。
やはり、こうした大画面を活かせるのは読書や詳細なデータ閲覧、そしてゲームでしょう。大画面ならではの一覧性の高さや、3Dゲームにおける奥行きある表示は普通のスマホにはないものです。
またKindleの表示については、初期設定だと活字は見開き表示ができるのですが、漫画は見開き表示になりません。
設定の「アプリごとのフロントカメラ表示設定」から、Kindleの設定を「フロントカメラを非表示にする(フルスクリーン)」にすることで漫画も見開き表示にできます。
また、正方形に近いディスプレイなので、YouTubeで動画を再生すると上下に大きい帯ができてしまいますが、それでも通常のスマホよりも大きいサイズで動画を楽しめます。
なお、YouTubeは動画とインターフェースを上下に分けて表示することも可能ですが、最適化が不十分なためか動画が中央を超えてはみ出してしまいます。
サブディスプレイは5.49インチ、FHD(1972×988)画質のAMOLEDディスプレイです。リフレッシュレートは60Hzですが、画面輝度はメインディスプレイと変わりません。
なお、サブディスプレイは端が僅かに湾曲したエッジスクリーンになっています。ジェスチャー操作と相性が良いので、個人的には好きです。
OPPO Find Nは大画面を活かした機能多数
OPPO Find Nは、フォルダブル大画面を活かした様々な機能を搭載しています。
表示に関しては、すべてのアプリで全画面表示ができ、その他に「4:3」「16:9」での表示が可能です。ただし、全画面だと表示がおかしくなるアプリもあるので注意が必要です。
OPPO Find N、画面分割 pic.twitter.com/24Xk7U8fCl
— やずX@Xiaomi大好きブロガー (@F10Dfjtu) January 1, 2022
以上の動画のように、大きな画面を分割して2つのアプリを同時に表示することが可能です。ウェブサイトを見ながらメモにコピペしたり、Twitterをしながら音楽アプリも操作したりと、用途は様々です。
OPPO Find N、フローティングウィンドウ pic.twitter.com/GruqJDwiSZ
— やずX@Xiaomi大好きブロガー (@F10Dfjtu) January 1, 2022
各アプリは、通常の表示よりも小さなフローティングウインドウとして呼び出すことも可能です。このウインドウは、シームレスに通常の表示に戻したり、ある程度のサイズの調整を行ったり、移動させたりが可能です。
また、画面分割と併用することもできるので、画面上に最大3つまでアプリを表示することも可能です。
OPPO Find N、デュアルディスプレイ pic.twitter.com/RqFRwQ8h9c
— やずX@Xiaomi大好きブロガー (@F10Dfjtu) January 1, 2022
一部アプリは、以上の動画のような「デュアルディスプレイ」に対応しており、より快適な操作が可能です。これは、1つのアプリを2画面に分割して使える機能で、2つのアプリを同時表示する通常の画面分割とは異なります。
ただし、現状この機能は中国でよく使われるアプリのみの対応となっています。また、大画面をカーナビのように使えるドライビングモードもありますが、これも対応しているアプリが中国の地図・音楽アプリ等に留まっています。
カメラについては、左の画像のように片側半分を操作パネル兼スタンド代わりにしたり、右の画像のようにカメラを起動しつつ、撮影した画像を閲覧・編集・SNSにアップしたり等が可能です。
また、サブディスプレイをファインダーにして、メインカメラで自撮りすることも可能です。
OPPO Find Nは50MPトリプルカメラ搭載
OPPO Find Nは背面にトリプルカメラを搭載しています。構成は以下の通りですが、メインカメラは優秀な性能を持つIMX 766センサーを採用し、OIS(光学式手振れ補正)もあるので、夜景に強くなっています。
・メイン(広角):5000万画素 (Sony IMX766)
・超広角:1600万画素 (123°)
・2倍望遠:1300万画素
また、動画については、最大4K画質/60fpsでの撮影が可能で、EIS(電子式手ぶれ補正)を備えています。
3つのカメラを使って実際に撮影してみました。以下、作例になります。
AI補正で色濃く鮮やかな写真が撮影可能
OPPO Find Nは、AI補正でより色濃く鮮やかな写真を撮ることができます。


←補正なし:補正あり→
(表示されていない場合、ページを再読み込みしてください)
上記のスライダー付き画像は、左がAI補正なし、右がAI補正ありとなっています。AI補正で色が明るめに補正されるので、好みやシーンによって使い分けると良いでしょう。
2倍望遠カメラで遠距離撮影も対応
OPPO Find Nは、ズーム倍率×2が標準の望遠カメラを搭載しているので、ある程度の遠距離撮影も可能となっています。

1倍

2倍
1倍と2倍ズームでそれぞれ撮影してみました。2倍ズームでも十分解像感があります。

5倍
こちらは5倍ズームでの撮影です。ハイブリッドズームにより、5倍までなら解像感がしっかりある写真が撮れます。

10倍

20倍
更に10倍と20倍ズームで撮影しました。ここまで拡大すると粗さが分かるようになってきますが、記録用には十分かと思います。なお、20倍が最大ズーム倍率となっています。
超広角カメラでダイナミックな写真が撮影できる


←メイン:超広角→
(表示されていない場合、ページを再読み込みしてください)
メインカメラ(広角)と超広角カメラで同じ場所から撮影しました。超広角カメラは123°という広い画角を持っているので、よりダイナミックな写真が撮影できます。
ただし、メインカメラの方が良いセンサーを使用しているので、超広角カメラはHDR性能や解像感等で劣ります。以上の写真の場合、超広角カメラの方は若干暗めになっていることが分かります。
メリハリのある夜景写真が撮影できる
OPPOのカメラソフトウェアは夜景撮影に強みがあり、特に一定の光量のある都市夜景は非常に得意です。
夜空は暗く、ライトは明るく、そしてフレアを抑え込んだメリハリのある写真を撮影することができます。
OPPO Find Nカメラ総評:カメラに拘った機種ではないが......
筆者のOPPO Find Nのカメラの評価を以下にまとめました。
ポイント
✅不自然さがないAI補正が使いやすい
✅実用的な望遠&超広角カメラ
✅メインカメラは夜景写真が美しく映える
総評としては、カメラに拘ったスマホではないものの、一般的には十分実用的な性能です。
優秀な性能のIMX 766を採用しOISも備えたメインカメラに加えて、実用的な望遠&超広角カメラを搭載しているので、多彩な撮影体験を楽しめます。
勿論、もっとカメラ性能が強い機種もありますが、それらはいずれもフォルダブルスマホではありません。フォルダブルスマホでありながら、準ハイエンド級のカメラ性能を持っていることは、本機の良さの一つでしょう。
OPPO Find Nは底面にデュアルスピーカー搭載
OPPO Find Nはデュアルスピーカーを搭載しています。
ただし、スピーカーはどちらも底面に備えられているため、音が広がる方向は偏っています。とは言え、音自体は悪くなくそれなりに音量も出ます。
なお、3.5mmイヤホンジャックは非搭載です。
OPPO Find Nは33W急速充電対応
OPPO Find Nは4500mAhのバッテリーを搭載しており、33Wの有線急速充電、15Wのワイヤレス充電に対応。10Wのリバース・ワイヤレス充電も可能なので、本機からワイヤレス充電対応のTWSイヤホン等に給電することが可能です。

充電ポートはType-C
33W急速充電の充電速度を検証
付属の有線急速充電器を用いて、バッテリー残量が0%の状態からの充電時間を実際に計測してみました。結果は以下の通りです。
充電時間 | バッテリー |
30分 | 58% |
58分 | 100% |
満充電にかかる時間は約1時間でした。たったの30分で半分以上充電され、約58分で満充電されます。これだけの速度で充電できるのであれば、日常使用には十分快適でしょう。
バッテリー持ちを検証
バッテリーを100%・音量最大・輝度約60%の状態で、メインディスプレイでAmazonプライムビデオを標準画質で二時間再生させ、バッテリー持ちの検証を行いました。
その他の端末と比較した表は以下の通りです。
1時間後 | 2時間後 | |
OPPO Find N | 90% | 81% |
Redmi K40 | 93% | 83% |
realme GTMEE | 94% | 87% |
iPhone SE | 91% | 78% |
結果は、OPPO Find Nのメインディスプレイのバッテリー持ちは中の下です。
決して良くはないのですが、それはあくまでメインディスプレイを常に使用した場合であり、実使用ではより小さく電力消費の少ないサブディスプレイも使い分けます。
筆者の体感的な感想としては、そうした実使用上のバッテリー持ちであれば、良くも悪くもなく普通だと感じました。
OPPO Find Nは側面指紋認証と顔認証に対応
OPPO Find Nは側面指紋認証と顔認証の両方に対応しています。
側面指紋認証は電源ボタンを兼ねており、押さずとも触れるだけでロックが解除されます。認証速度は、顔も指紋も非常に速くスムーズです。
OPPO Find N、顔認証&指紋認証 pic.twitter.com/X7NZmq6BYz
— やずX@Xiaomi大好きブロガー (@F10Dfjtu) January 1, 2022
OPPOスマホは中国版でも日本語に対応
OPPOのスマートフォンは、中国版でも初めから日本語に対応しているので、PCを使って日本語化をする必要はありません。
また、初期状態ではGoogle自動入力が使えませんが、「非表示の設定(Google Playリンク)」というアプリで「自動入力サービス」→「Google」と選択すると使えるようになります。
OPPO Find Nスペック表
OPPO Find Nのスペック表は以下の通りです。
機種名 | OPPO Find N |
OS | ColorOS12, Android 11 |
SoC(CPU) | Snapdragon 888 |
メモリ | 8 / 12GB, LPDDR5 |
容量 | 256 / 512GB, UFS3.1 |
画面 (内) | 7.1インチ、WUSXGA (1792×1920) フレキシブルAMOLED, LTPO リフレッシュレート:1~120Hz タッチサンプリングレート:180Hz ピーク輝度:1000nits 100%P3, 8bit |
画面 (外) | 5.49インチ、FHD (1972×988) フレキシブルAMOLED リフレッシュレート:60Hz タッチサンプリングレート:240Hz ピーク輝度:1000nits 100%P3, 8bit |
カメラ (背面) | メイン:5000万画素 超広角:1600万画素 望遠:1300万画素 |
カメラ (正面) | 3200万画素(外画面) 3200万画素(内画面) |
電池 | 4500mAh 33W有線充電 15W無線充電 10W逆無線充電 |
音響 | デュアルスピーカー Dolby Atmos |
生体認証 | 側面指紋, 顔 |
防塵防水 | なし |
SIMスロット | デュアルSIM |
5Gバンド | n1 / n3 / n5 / n7 / n8 / n20 / n28A / n38 / n41 / n66 / n77 / n78 |
4Gバンド | TD-LTE: 34/38/39/40/41 (194MHz:2496-2690) LTE-FDD: 1/2/3/4/5/7/8/12 /17/18/19/20/26 / 28A / 66 |
寸法 | 約132.6 x 73.0 x 15.9mm |
重量 | 約275g |
カラー | 白、紫、黒 |
その他 | NFC対応 |
価格 | 8GB + 256GB: 7699元 (約13.9万円) 12GB + 512GB: 8999元 (約16.2万円) |
OPPO Find Nレビューまとめ:手帳のようなサイズ感・美しい画面がGood
OPPO Find Nレビューをお届けしました。実際に使って感じた主な特徴は以下の通りです。
ポイント
✅閉じて小型スマホ、開いて小型タブレットの絶妙なサイズ感
✅メイン画面が綺麗。折り目も目立たない
✅大画面を活かした一卵性の高さやマルチタスクが魅力
✅トリプルカメラは望遠もあり使いやすい
✅生体認証が非常にスムーズ
サブ画面が60Hz駆動・充電が最大33W・防塵防水規格なし等の弱点もあるのですが、実使用のうえでは、どちらかと言えば些細な問題です。
これらの機能を切り捨てることにより、約14万円からという(フォルダブルとしては)安い価格設定、かつ横折り小型フォルダブルという従来にないスマホになっています。
こうした同機の特徴は、「値段が高すぎる」「ポケットに入らない」「画面の折り目が気になる」といった既存製品への不満に対するOPPOなりの答えであり、刺さる人には刺さる製品でしょう。
製品としてコンセプトやデザインの完成度が高く、実際によく売れていることも納得のフォルダブルスマホだと思います。